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【パワポ研の決算資料探訪16】サーキュレーション社の決算説明資料には「お作法×デザイナー」がある

企業の決算説明会資料について解説するこのシリーズ。前回大変好評をいただけましたので、おかげざまでこの度シリーズ16回目を迎えることができました(好評だった初回Goodpatch様の記事は以下)。

今回も見どころある企業の決算説明資料について紹介させていただきます。
対象とするのは、「株式会社サーキュレーション」。人材活用サービスを提供する企業です。

2022年7月期 第3四半期 決算説明資料
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それでは早速見ていきましょう。

表紙

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実はこちらの画像、同社HPのトップページと同じ画像です。新しい画像を作ったリ探したりする手間を省くという意味と、見慣れたものなので株主(含む関係者)が安心するという意味で、効率的な手の抜き方と言ってよいでしょう。画像をはめ込んで、あとは必要情報を下部に記載するだけ。便利な手法です。

目次

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シンプルで悪くはない……と思うのですが、一点。右の写真が事業に関わるかどうかは大事なポイントです。本稿の筆者はサーキュレーションのビジネスに知見が深いわけではないので、この画像が企業のイメージを表すものとして適しているかどうかは判断できません。しかしもし他の方がこのスライドを真似る場合には、その画像が「本当に意味があるのか」をしっかりと検討して配置するべきでしょう。

「なんとなく恰好よさそう」という程度で画像を決めるのはおすすめしません。特に、フリー素材サイトなどでは「それっぽい」画像がよく転がっているので安易に使ってしまいがちですが、一考を挟むべき、ということです。

Who We Are?

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上手なスライドですね。事実上の1ページ目でこの情報量のスライドはパンチが利いています。勇気がないとできません。

しれっと会社のロゴが混ぜ込んであるのもポイントが高いですが、これはデザイナーさん案件でしょう(これは会社によってロゴの形態が異なるので、ほぼマネできないはず)。

ちなみに、「知のめぐり」って「血のめぐり」とカケているんでしょうかね? 最初のメッセージでこれを出せるのは(メンタルが)強いですね。

パラダイムシフト

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前提として、サーキュレーション様の本資料は、メッセージ(上部)の部分の余白が大きく非常に見やすいです。その中で、このスライドはそれ以外の部分を全て背景色を付けたものにしております。これは頻繁にすると効果が薄まりますが、「これぞ」というスライドでは効果的な手法ですね。

なお、背景色についてですが文字が白色になってしまうほどのものは可読性が落ちるので、上記のように黒文字で処理できる明度がおすすめです。

選ばれる5つの理由

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こういった、要素が複数ありそれらが連関していますよというスライド、実は結構作るの難しいです。真ん中の5つの輪はともかくとして、その色や文字説明の配置など、油断するとバランスが悪くなります。もしこのようなスライドを作るなら、(変に悩むよりは)このスライドのデザインを拝借してしまうのも有効かもしれませんね。

売上と成長性

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もちろん、「ありがち」なスライドも存在します。このスライドでは、左と右2パネルに分けて、左にファクト、右にその解説を行っています。非常に見やすいですね。オーソドックス、しかし分かりやすいという好例です。

月次プロジェクト

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と思いきや、このようなトリッキーなスライドもあります。あまり、というか前例はほぼ全く見られません。ど真ん中にいわゆる「ぐるぐる図」を配置して、それ以外を4パネルに分割しています。しかし文字の大きさには気を配っており、最低限の見やすさは担保。腕前が光りますね。かなり作成に時間がかけられたスライドではないでしょうか。

Webinar

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文字を読ませなくてもよいスライドというものも存在しますが、それも見やすく(しかしシンプルに)工夫されています。画面をキャプチャしただけと思いきや、見た目が華やかになるように抜粋しているかもしれません(もしかすると、ただのキャプチャかもしれませんが。もしそれでしたら、十分スライドに耐えうる程度だったということでどうかひとつご容赦ください)

委託事業開始

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このスライド、ともすれば文字を大量に記載することもできてしまいますが、言いたいことは「仙台市と提携しました」だけですので、それに沿ったボディ(内容)にしてあります。注目すべきなのは、左右のパネルの大きさを同じにしていないことです。そこにこだわる必要はないのですが、人間均等を重んじすぎてしまう場合がほとんどです。イラスト(画像)のインパクトを効果的に用いるために、少し左側が大きいですね。

主なリスク

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最後に、かなり文字がキチキチなワードスライドを紹介します。正直見やすいスライドではありませんが、プレゼンを目的としない場合(=じっくり読んでもらう用)ならこれで十分です、という好例です。なお、青色文字でも意外と読める、ということはこのスライドでよくわかると思います。本資料について全般青色文字でしたが、特段違和感なかったと思います。

まとめ

今回紹介したサーキュレーション社の資料、見た目よりもずっと難しい(=手の込んだ)ものでしたね。おそらく、デザイナーの知見が相当数活かされているはずです。もしそうでないとしたら、並々ならぬパワポの力を保有する人が頑張ったのでしょう。いずれにせよ、マネできるポイント、そうでないポイントを分別しないと、参考にする際にはドツボにはまってしまうかもしれません。要注意!
(もちろん、資料そのものはとても立派で見やすいものでした。真似するときは、要注意ということです)

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