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【考察】パワポ資料作成において、AIとどう付き合うべきか?

みなさんこんにちは。
資料デザインのリサーチや分析に取り組むパワーポイントのスペシャリスト、パワポ研です。

最近のビジネス界の話題はAI一色と言っても過言ではありません。
以前の記事では、Microsoft CopilotやStable Diffusionについて紹介しました。

今回は、それらを踏まえた上で、AIによるパワーポイント資料作成代替が、どこまで可能かを考えていきます。

AIが出来ないことはなくなる

そもそも、AIにできないことは(将来的には)ありません。ゆくゆくは、人間ができることは全て代替できるようになるでしょう。現時点でさえも、司法試験に合格するほどの能力があったり、あるいはその他脳みそが求められる試験を突破したりしています。また、そんな試験で測定せずとも、Chat-GPT4の脅威は我々は目の当たりにしています。仕事においては、「部内の使えない人よりは全然使える」という評価が定着しつつあるので、専ら悪い評判ではないのでしょう。

もっとも、現時点ではAIに目と手足がついているわけではないので、完全な人間の代替はできません。しかし、脳(と言っていいものか)の回転や瞬時にアクセスできる知識量(Chromeに接続できることを考えると、実質ハンパではない)を考えると、人間のそれを凌駕しつつあるのは事実で、かつ視覚ならセンサー、手足ならロボットアームを駆使すれば、人間の作業を代替できる未来はすぐそこまで来ています。いわんや、パワポの資料作成くらいなんて、潜在的にはをや、というところです。

でも、「今」はできないことが多い

ですが、少なくとも一般ユーザーが使えるリソースでは、今、実現できないことは多々あります。PCで使えるようなAIは、視覚を代替できるようなセンサーはもっていないし、どんな場所でも使えるマジックアームもありません。人間にそこは劣ります。

パワポの資料くらいは今時点でも作れるんじゃないのかな……と思うのが自然でしょう。しかし残念ながら、結論としては(おそらく)あなたが思っているように、自由にかつ意図通りにパワポを作るのは、現時点では不可能と言えます。

今できること・できないことは何か

今(あるいは数か月先)、パワポにおいてAIは何ができるのか。それは、「自然言語で入力すれば、それっぽいスライドを作ってくれる」ということです。パワポ関連でAIにちなんだサービスは無数にありますが、大体は「それっぽいスライド」を作ることができるだけ(それでも十分すごい)で、細かい指示を達成してくれるかと言うと、明らかにNoなのです。

例を示しましょう。例えば、MicrosoftのCopilotでは、以下のようなスライドが作れます。

すごい。たしかにすごい。自然言語の指示だけでこれが作れるのはすごい。でも、これではダメなんです、という人も多いでしょう。

また、スライドを作れるサービスである、SlideGPTでは、以下のようなものを作れます。

他にも、いろいろなサービスがありますが、おおむねできることは同じです。やっぱり、細かい「てにをは」レベルには対応してくれないのです

例えば、ざっくり「全体的に色を青系統にしてくれ」とか、あるいは「この写真をつかってくれ」というのは(適切な指示が出せれば)AIでも解決可能な調整かもしれませんが、「グラフの凡例の場所をこっちにしたい」とか「全体的に文字を数ポイント大きくして、でも情報量は下げたくないからオブジェクトの配置を工夫したい」とか、なんなら「弊社専用のフォーマットがあるから、それに準拠して作って欲しい」とか、そういった細かい要望には、決して応えられないのです。

じゃあどうすればよいのか

弊社謹製のテンプレートを使ってください……と言っても大してこの悩みは解決はしないことは分かっています。なので、この文章の結びとしては、ありきたりですが「AIに人間があわせる」、あるいは「AIができることを切り分ける」ということになってしまいます。

おそらく、後者の「AIができることを切り分ける」についてはイメージが湧く方も多く、また「そんなことをするぐらいなら、AIにはいちいち頼まない」という持論を抱えている人も多いでしょう。まあ確かに、ツールってそういうもんですよね。便利そうだけど、業務を切り分けてまでお願いするかというと、ねえ。

一方で、前者の「AIが人間にあわせる」については、「馬鹿にするな!」という意見の人も多いかもしれません。しかし考えてください。上に例に挙げたような、細かい文字の大きさや、貴社謹製のフォーマットに従っていなかったとして、読み手の一体誰がそんなことを気にするのでしょうか。内容が明快で頭に入りやすければそれで十分で、そんなことに拘るくらいなら他の付加価値を付けた方が、よっぽど成績が伸びると思いませんか? つまり、我々のやるべきことは、「完成度はほどほどで諦めて、潔くAIで(若干渋い)パワポを出力する」ということになるのではないかと思われます。テンプレートを売っていてこういうことを書くのはアレですが、実際のところそういう段階に我々は立ち合いつつあります。

例えば、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)を導入するために、業務フローを整理して、RPAが稼働できるように受け入れ準備をすることは珍しくありません。それ以前の話をすれば、(1990年代には)PCが動かせるようにインターネット接続サービスをわざわざ会社に用意したことでしょう。もっと前の話で言えば、列車をうごかすために線路をつくりました。線路はA地点からB地点の移動しかできないという強烈な制約がありますが、大容量・高速で運搬できる利便性を受け入れるために、甘んじて当時の人は輸送フローを抜本的に変更したことでしょう

つまりは、そういうことなんです。制約はあるけれど、トータル便利になる。現時点でのAIをパワポで最大限活躍させるためには、そういった心構えが必要なのです。

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