Don't let us screw up your life

You Are Us – Aroha Nui

2019年4月13日、クライストチャーチのテロ事件への寄付を兼ねたチャリティーイベントがオークランドのSpark Arenaで開催された。
ヘラルドStuffでも記事になっているように、12,000人近い人がこのイベントに参加した。
4月17日はクライストチャーチでも行われる。

司会のMike King

ニュージーランドを代表するアーティスト達が一堂に会するこの二夜の司会に抜擢されたのがメンタルヘルス主唱者でもあるマオリ系コメディアンのマイク・キング。
ユーモアあふれる司会と、5歳になる娘も登場して楽しい進行を進める中で、最初に彼が言ったのがタイトルの「Don't let us screw up your life(俺たちに君たちの人生を台無しにさせるな)」。

Don't let us screw up your life

このセリフに至る前、彼はこう話し始めた。
「It's always us that screw up the world. (この世界をめちゃくちゃにしているのは俺らなんだ。)
It's our generation.(そう、俺らの世代なんだ。)
Look at these young people in the front.(一番前で観ているこの若者たちを見てみろよ。)
Your generation is the best generation in the entire history. (君たちの世代は歴史上最も良い世代だ。)
It's always us fuck up your life.(俺らの世代が君たちの世界をめちゃくちゃにしてるんだ。)
So don't let us fuck up your life. (だから、俺たちにそんなことをするのを許しちゃだめだ。)
Don't let us screw up your life.
Tonight, I give you my permision to be you. (今夜、俺は君たちに許可を与える。君たちが、ありのままでいていいという許可だ。)」

この言葉の重さ

この言葉に対し、会場にいた「大人達」からのブーイングは一切なかった。
一人の大人が、若い世代に対して、世の中を良くしていけるのは自分達ではないと宣言したのだ。

ニュージーランドの首相ジャシンダは2019年4月13日の時点でまだ38歳。
若い世代が国の舵を握っていくことに賛同し、それをサポートする側になった「大人達」。
それをしっかりと裏付ける宣言だった。
年長者が「害」を及ぼす可能性を示唆する言葉を吐き、年長者だからリーダーになるのではなく、若い世代を支え、称える姿勢の地盤があるからこその発言。

この重い言葉はこの国の「今」を示しているように感じた。

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