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漫才か漫才じゃないか論争に関する個人的視点

  こちらは昨日アップした音声プログラムの文字起こしのようなものになります。お時間ある方、ご興味ある方には、下記の音声を作業BGMのような形でお楽しみいただけたらと思います。
#8「お笑い②」漫才にもいろんな形があっていい!(ぺこぱさん風)Power of Passion Radio (POP Radio)
#8「お笑い②」Power of Passion Radio (POP)(stand.fm)

「漫才にもいろんな形があっていい」

 M1グランプリ2020の最終決戦でマヂカルラブリーさんが披露したネタがきっかけとなったのか、ネット上漫才か漫才じゃないか論争なるものが挙がりました。
 この論争の結論については、松本人志さんや太田光さん、さらに上の世代のオール巨人さんや中田カウスさんなどの発言によって、既に結論は出ているような気がしますが、いちお笑いネタ好きの自分の視点でちょっと述べてみようと思います。
 ただ、わたくし、ケータイ大喜利という番組で投稿した内容が放送されたことは一度もございません。ただ単純にお笑いが好きなだけでございます。肩の力を抜いて、温かい目でみてやってください

 まず、M1グランプリ2018で霜降り明星さんが優勝した後に、なぜ「漫才か漫才じゃないか論争」が挙がらなかったのか。個人的に、マヂカルラブリーさんのネタスタイルは、霜降り明星さんやスーパーマラドーナさんに似ているような気がします。ボケ役が動いて、それにツッコミ役が突っ込む形で、二人の話のやり取りは少なくなる。
 一方で、麒麟のお二人は、ツッコミ役が動いて、ボケ役が状況説明するため、ツッコミ役が止めに入るため、ちょいちょい二人の話のやりとりが生まれています。
 2019年のM1グランプリ決勝がすごくて、特にしゃべくりスタイルが目立ったというのもあるでしょうし、2018のM1グランプリ決勝の後は、別の芸人から別の問題が挙がったので、それが理由としてあるのかもしれません。
 漫才の漫才の中には、最初からしゃべくりスタイルだったり、最初の導入後はずっとコントで漫才を通したり、状況を詳しく説明するためにところどころにコントを入れたりと様々だと思います。

しゃべくりスタイルでM1グランプリ優勝(敬称略)
中川家、ますだおかだ、ブラックマヨネーズ、チュートリアル、銀シャリ、ミルクボーイ

しゃべくりスタイルの中に所々でコントを交えるスタイル(敬称略)
ハリガネロック、タカアンドトシ、トレンディエンジェル、博多華丸大吉、中川家 ほか多数

 「あくまで個人的な見解ですからご了承ください。」と前置きしておきますが、「舞台上のマイクを用いて、着用するもの、身に着けるもの以外のものを使わずに、かつ、照明効果、音響効果、SEやBGMを使わずに、演者同士が演じる」この形が俗にいう漫才と呼ばれるものなのではないでしょうか。
 メガネとかジャケットを使うことはあるし、手紙ネタなどもあるでしょう。しかし、わざわざ持ち込んだ小道具を使用するのは、玄人の方からするとどうなのでしょうか。

M1グランプリにおける小道具ありきでのパフォーマンス(敬称略)
テツandトモ、すゑひろがりず
センターにマイクを置くが、BGMありきでのパフォーマンス(敬称略)
メンバー
 漫才という枠を考えずにパフォーマンスとしては素晴らしいものであることには違いないはず。

コント主体の芸人から考察してみる

 コント主体の芸人のジャルジャルさんについて。特に中川家礼二さんのジャルジャルさんへの見解は一体なんだったのか。コントのネタは別として、ジャルジャルさんの漫才のネタでは、照明や音響効果、小道具は使われていないですし、舞台上で寝転がる、動き回るということもありません。
 あくまで推測ですが、中川家礼二さんの中にある漫才の概念として、話の本筋、軸があって、その軸ありきで、回り道しながらも、最後には話の本筋が収まるという考えがあるのかもしれません。
 例えば、出張先から家に帰るという本筋があって、その道中にお土産買ったり、ご飯食べたりと寄り道をしながらも、最終的には家にたどり着く、そういった感じでしょうか。
 中川家礼二さんにとっては、ジャルジャルさんのネタにはその要素が弱いという印象なのかもしれないです。
 一方、音響や小道具を殆ど使っていないコント師のネタは漫才として落とし込むこともできるのではないかと思ってしまいます。もちろん、コントと漫才とでは掛け合いの仕方や立ち振る舞い方は異なってくるのは間違いないですのですが…。
 具体例として、コント師のバイきんぐさん、2012年のキングオブコントで優勝されましたが、そのキングオブコントのネタでは小道具を殆ど使っていません。特に1本目の自動車学校のネタで使用した小道具は、バインダーと8号車の鍵くらいなので、それを実際のものとして使わずに、サンドウィッチマンさんの漫才での導入を使えば、漫才になりそうな気がします。

 「世の中興奮することっていっぱいあるけれど、一番興奮するのは「恩師と再会したときだよね」「間違いないね」みたいな感じで。
 バイきんぐさんのそのネタの最後の台詞に「いい加減にしろ」を入れればできそうな気がしますが、どうなんでしょう。

M1グランプリの注目度が高い

 M1グランプリの後に漫才か漫才じゃないか論争なるものが挙がったということは、それだけM1グランプリが注目されているということだと感じます。審査員の方のすごさもあると思いますが、その注目度の1つの要因として、初代チャンピオンの中川家さんの活躍がずっと続いていることがあると思います。
 M1グランプリに関して、わたくしとしては、俗にいう吉本芸人ではなく、かつ関東勢のコントに入らない芸人さんの優勝があったら、M1グランプリのまた違った力をもったのかなぁという気がしています。ナイツさん、オードリーさん、ハマカーンさんがM1チャンピオンになってたら…。ハマカーンさんの今のスタイル、わたくしは好きなのですが、The MANZAIにも呼ばれていないのが現実です。なかなか切ないです。

 漫才もコントもリズムネタもモノマネも、実力ある人はすごいですし、面白いものは面白いですし、その面白いの感覚は人それぞれです。わたくしはこれからも面白いものに触れて面白いものをつくりだすことができたらと考えております。

 お笑いド素人の自分が、自分なりの視点で漫才か漫才じゃないか論争についてちょっと取り扱ってみました。とはいえ、最初の方で述べておりますが、既に玄人の方から結論が出ている案件でございます。



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