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目と鼻を開通させる手術を受けた話

せっかくの経験なので、書いて残しておくことにしました。先天性涙道閉塞の人はもしかしたらほんのちょっぴり参考になるかも? でも完全に自分のために書き散らしただけのnoteですので、正確な医療知識を得たい人はbackして各眼科さんHPへgo go go !


1.手術を受けるきっかけ


私は、左目が先天性の涙道閉塞でした。泣く気がなくても、止めどなく涙が流れてしまっていました。具体的には、普通の人が備わっている、涙の排水溝みたいな部分が閉じている状態です。自然と出てくる涙を体内に排水できずに、体外へ垂れ流すしかない体なのでした。

生まれつきのものなので、もはやもう日常の一部でした。

そのまま社会人になりまして、こちとら根暗引きこもりオタクですので、まあ社会に馴染めない馴染めない。生活環境がガラッと変わったのもあり、なんやかんやのストレスで、ヘルペスとか結膜炎を発症する回数がものすごーく増えました。

しょうもないのが、これで熱のひとつでも一発38℃くらいに景気良く上がってくれたら「やったぜ!!(休みまーす!!)」と雄叫びをあげてお家を謳歌をするのですが、マジで目がとにかくかゆいだけなんですよね。かゆいだけ。それだけ。

何の得もないので、結膜炎でかかった眼科院に涙道閉塞開通手術百戦錬磨のお医者さんがいるという噂を聞きつけ、本腰を入れて治す決心をしました。

ちなみに、手術というものを生まれて初めて受けました。健康が取り柄の根暗引きこもりオタクです。


2.手術前診察


診察→手術当日→3日後の経過観察→3週間に1回の涙道洗浄

というふうに進みました。

まずはその百戦錬磨医の診察を受けます。なんか色のついた目薬?みたいなものをまぶたの内側につけられて、まばたきをしても涙で流れていかないところを見せられます。ドアップで自分の目ん玉の写真を見せられながら、

医「ほら、赤くなってるでしょ」

私「ほ〜」

医「本当はここに穴があるはずなんだけど、完全に閉じちゃってますね」

私「は〜」

△左目のイメージ図

流れるような説明で、涙道閉塞であることを再確認。確かに右目のまぶたの写真にはある穴が左目にはない状態で、こんなにハッキリ分かるものか〜となんだか感心しました。この穴をプチンと針で開けちゃいます、とちょっと恐ろしいことを朗らかにいう百戦錬磨医。びびる私。

医「いつ頃から涙目なんですか?」

私「あ、もう小さい頃から...生まれつきで...」

医「エッ!!先天性ってこと?」

とても驚かれました。百戦錬磨医曰く、先天性のものは赤ちゃんのうちに治してる人が大半らしいです。

医「25歳にこの手術をするのは初めてですねー。まあ、大丈夫だと思います」

私もなんと言っていいのか分からず、エヘヘェ...と半端な笑顔を浮かべながら、まさか私が百戦錬磨医の初体験の相手になるとは、と思っていました。

それから、

・まぶたの穴が完全に閉じているので鼻涙管(不要な涙を鼻に排出する排水管みたいなもの)が閉じていないか確かめる検査が今はできない。

・まぶたに穴を開けてみないと、鼻涙管が閉じていないかはわからない。

・まぶたに穴を開ける手術自体は簡単だが、鼻涙管がもし閉じていたら目と鼻の間に目クソハナクソが溜まり続ける状態になる。

というシンプルに最悪な説明をされました。手術に使うチューブが通らないほど閉じてしまっていたら骨まで削るちょっと大掛かりな手術になるが、それは100人に2人くらいのレアケースだそうです。骨は削りたくないですが、だからと言って目クソハナクソも目鼻の間に溜めたくないので、私は、どうか開いていてくれ...鼻涙管...と祈りました。


3.手術当日


当日はそれなりに緊張しながら、会社の半休を取り病院に向かいました。いつもの視力・眼圧検査をして(脱線しますが、私はあのプシュッてやる眼圧検査がとても苦手です。一回でうまくいったことが一度もありません)、いざ手術室へ。

手術室には百戦錬磨医と百戦錬磨医の師匠?みたいな人がいました。

百「緊張してます?笑 顔が少し青いですね笑」

私「へへ...」

ビビリをいじられながら、半笑いで歯医者によくあるような椅子に座り、椅子を倒され、歯医者でよくなるような格好になります。

師「緊張しなくて大丈夫ですよ〜、すく終わらせますからね〜」

本当に歯医者みたいだな、と思いながら顔全面に水色のガーゼみたいなものを被せられました。左目の下まぶた若干と鼻が出るくらいだけそのガーゼを切られます。視界がかなり狭くなり、何が起こっているのかよく分からなくなります。

△視界が狭く、何が起こっているかよく分からなかった図(うろ覚え)

眉間あたりに麻酔を打たれます。この瞬間がなによりも痛かったです。しかも直前に「痛くて顔をしかめると青アザになる可能性がありますからねー、リラックスしてくださいね」と脅しをかけられたので、必死でリラックス顔を保つようにしました。

それからは見えていないのでよく分かりませんが、おそらく針?でまぶたに穴を開けられ、その穴と鼻の穴の両端から、百戦錬磨医の華麗なスキルでぐいぐいチューブを入れられました。麻酔が効いているので、特に感覚はありません。何となく鼻をいじられてるな〜って感じでした。これも見えていないので憶測ですが、百戦錬磨医が手を動かし、百戦錬磨医の師匠が指示を出していました。

ここからが問題で、この師匠の指示がなんというかこう...どうしようもなく不安を煽ってくるんですよね...。

師「下のチューブ!押さえて!」

私「(分からないけどなんとなく下のチューブが押さえられてる感覚)」

師「はい上!今!刺して!」

私「(分からないけどなんとなく上のチューブが刺されてる感覚)」

まして視界が悪いので不安も倍増です。あんなに朗らかだった百戦錬磨医が終始無言なのも怖かった。これもしかして今ガーゼ剥ぎ取ったら全然知らない人がオペしてる?ドッキリ?と思いました。

体感15分ほど左目周りを弄られてたと思います。麻酔をされてる身でも、なんだかやけに鼻の穴の奥深くを長いことグリグリされてるな、と感じ始めました。心なしか師匠の指示が切羽詰まってきているようにも感じます。

師「ほらちゃんと押さえてなきゃ抜けちゃうから!」

師「そこ狭いんだから!ちゃんと押さえて!」

予感が確信に変わりました。私、もしかして鼻涙管狭い? 目クソとハナクソが自分の鼻の奥で溜まりまくっている様子が脳裏をよぎります。

加えてこの頃から、なんとなく鼻の奥がジンジンしてきました。おそらく麻酔が切れかけていたんだと思います。最初に、百戦錬磨医から「途中で痛くなってきたら教えてくださいね。麻酔を足しますね」とは言われていましたが、これもまた必死のリラックス顔をしなくてはいけないのかと思うと躊躇ってしまいます。

これはもしかしてヤバいのでは、、、?と思い始めた頃、やっと「はい、終わりましたよ〜」と聞き慣れた百戦錬磨医の言葉。ホッとする間もなくガーゼを取られ、慣れた手つきで眼帯をつけられ、薬を用意するので待合室でお待ちくださいね、と手術室から送り出されました。

目薬を2種類と抗生物質ほど出され、帰宅。14時に検査を受け、17時過ぎには病院を出たと思います。手術時間は大体30分くらい。やっぱり緊張していたのか、家に着いて一安心すると2時間くらい爆睡しました。


4.現在までの経過


至って順調です!

手術3日後と、それから3週間ごとに診察を受けてますが、特に問題はなく、困っていた目の痒みも全く出なくなりました! 麻酔切れかけのままグリグリされた甲斐がありました。先天性の人はもともと鼻涙管に膜が張っている?らしく、後天性の人よりも綺麗に完治しやすい、と百戦錬磨医が教えてくれました。

今のところ、3週間に1回開けた涙道から水を流し、洗浄している状態です。来月(手術は8/31に実施。現在2020年11月中旬)初旬には鼻涙管に埋めているチューブを抜き、晴れて完治です。長かった...。

嫌なのは、チューブを抜くときにおそらくまた麻酔があることです。抜去の日までに眉間だけの力を抜くテクニックを身につけておこうと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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