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ユキルンルン

二〇一六年十一月二十四日木曜日

雪しんしん

きょうは(布団のぬくぬくが)とってもあったかいなあ、なぜかしらと、思いながらしばらく包まり、洗濯物干してくれていったんだなあ、と眺める。雪って予報だったけど、、と思い出して、帽さんはスイスイと無事着いたかなあと交通機関のことを思う。カーテンをあけると庭の(おやま)に積雪。風にふかれてふわふわと雪がふっていた。あらら、しっかり降っている。のんさんを呼んで、網戸越しに雪降る庭をみた。その表情は、とくべつ変わることはなかったのだけれど、あたらしい事象にハテナがたくさんならんでいたかもしれないし、思わず口があいちゃうようなおどろきでいっぱいだったのかもしれない。なんでも表情にかいてあると思ったらおおまちがいだ。

東京・埼玉・神奈川と住んできたのは雪の稀なエリア。雪降る窓の向こうに、うきうきるんとする。きっとそれは家で過ごしているからだと床掃除をしながら思う。交通機関が気になって、帰れるかしらと気になって、雪が降ったらたいへんだとここ数年思うことが多かった。うきうきるんがうれしい。そう思えることがうれしい。

昼ごはんをたべ終えたころ、ちゃぽんちゃぽんと音がしている。雨に変わったかしらと玄関をひらく。さっきの調子でふわふわとまだまだのんびり降りてきていた。ちゃぽんちゃぽんの正体やいかに。

犬は庭かけまわり猫はこたつでまるくなる。こんな日は家でぬくぬくと思っていたけれどわたしの中にはほんのり犬もいるらしく、のんさんにはじめての雪をみせたくもなってダウンを着せる。ほんのすこしの公園さんぽ。

公園は数人のあしあとでランダムストライプ。まっしろけとはいかないけれど、一面雪で覆われていた。はじめて雪をみた日だーというのと、雪だ雪だーというので、けいたいでんわでカシャカシャ写真を撮る。いつもはすぐに手ではらう帽子をきょうはすんなりかぶったのんさんはじっと見つめていた。まっしろな地面、見上げたらいる傘、わたしのかお。(おはなししているようにみえます)とあさこさんは写真をみて言っていた。そうかもしれない。のんさんは降りたそうにしていた。彼女は、おしりをつけたら濡れること、つめたいことをまだ知らない。このまっしろがなんなのかわからないけれど公園なのだからおりたいというようだった。ひとりでゆきだるまをつくって写真を撮る二十代前半男性とまっくろダウンの中年男性とわたしたちだけがゆき降る公園にいた。

家に帰ってきて、どこかにくっついてきた葉っぱがひらり。(はっぱ)とわたしが言うと、(ぱっぱっぱ)とのんさんが言う。ああ、いつもこうしてまねているんだな、思う。ここまで近づけられるようになってきているのだ。

夜ごはんは、ロールキャベツ半分、白いスープ(大蒜、椎茸、青梗菜、ブロッコリーの芯、さつまいも、じゃがいも、玉ねぎ、人参、手羽元)、鰯のかばやき丼。

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