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妖精のおばさま

二〇一六年十一月二十五日金曜日

晴れ

今朝のこうえんは、まあなんて幻想的。どこのお山に来たのかしらと、脳内再生北の国から。恥ずかしくたって隠れられない面と向かって赤面反射しておはようたいようがまあるくいる。川や土からのぼる湯気もあいまって照らされたわたしたちはすべて神々しい。霜の纏う草っぱらと雪のつもる草っぱらがずっとずっと向こうまでつづいてゆく。大陸とうみのようでどんなボートで漕いでゆこうかと思う。出勤している男性も、まっしろでおおきな犬さんのさんぽをしているおじいさんも、ショッキングピンクのジャージのおばさまも、 (まぁぁぁぁ)と声をもらしてカシャと鳴らした。ジャージのおばさまは、うみの中へはいってゆく。二本、木のならぶ先頭に立ってぴんと指先まで伸ばしてストレッチしている。そこはえほんの舞台だった。靄の中の向こう金色たいようの水滴カーテンに包まれて、彼女は色をうしなってシルエットになってゆく。まるでティンカーベル。ちいさなちいさな妖精にみえてしまう。眠ったら忘れてしまいそうだから、眠いけれど布団の中で二度寝の前に綴っておこう。

夜ごはんは、しらすと野菜の炒めもの、ブロッコリーのつくだ煮、鰯のかばやき、ごはん。これらをワンプレートに。

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