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記事一覧

【必修スキル】 毎週ショートショートnote

 金持ち教習所へ合宿で入った。 「お金に好かれる人であれ」  講師の言葉から始まった合宿の…

【悪魔の果実】 毎週ショートショートnote

 茹だるような暑さの中、友人と並んで縁側でスイカを食べていた。  頭上に吊るされた安いガ…

【バーラ】 毎週ショートショートnote

 あるアマチュアの天体観測士から新しい恒星が見つかったと天文学会に報告があった。  見つ…

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【帰郷】 ショートショート#4

 八月も半ばに差し掛かった頃、私はこの土地に帰ってきた。高台から見える小さな村。私の生ま…

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【烙印】 ショートショート#3

 十時を過ぎた頃、学校の前に着いた。担任の岩田が二階の職員室の窓から外を眺めているのが見…

15

【後悔のない1日を】 #2000字のホラー

 仕事で大きなミスをしてしまい、上司から大目玉を食うこととなった俺は帰り道の途中で公園の…

【十七歳】 ショートショート#1

・・・  ──潮騒の響きに、青臭い記憶が甦る。  海岸沿いに咲き乱れる勿忘草の花びらを舞い上げて、改造した単車で駆け抜けたあの日々。  太陽が燦燦と輝く中、暑さにやられた俺は赤いハーフヘルメットをフードの原理で扱った。それを見たあいつは「あぶねえよ」と言いながら、俺の真似をした。 「めんどくせえし、このままどこか遠くへ逃げちまおうか」  あいつは冗談っぽく笑いながら、愛車のペケジェを蒸した。その言葉の真意もわからぬまま、十六夜の月が朝日に飲まれる頃、あいつは居なくなっ