コロコロナ とし子さんの話 その4

発病から4日目(発病をゼロ日とするので発病第3日目)

朝起きると、まだのどは痛みました。熱を測ります。はじめて37.5度がでました。
よし子さんは、のどの痛みに泣きそうになりながら、水をのみ、そして考えていました。
57歳。若い人には、ただの風邪かもしれないが、今の私には結構、こたえている。
何より、孤独である。薬の戸棚をひっくりかえして、葛根湯をとりだし、お湯にといて飲んだりしました。飲み込むとき、イタイです。
スマホで、コロナ、症状経過、と検索します。あまりひっかかってきません。こんなにのどの痛みで苦しんでいるのは、この私だけなのだろうか。
3日たって、熱が下がらなければ、肺炎をおこしているかも、という記事が目にとまります。
私は、肺炎になるのだろうか。
のどの痛みにかまけて、においや味のことを考えませんでしたが、自分はどうなのか。よし子さんは、石鹸のにおいをかいでみます。石鹸のにおいがします。 石鹸のにおいをかいで、ほっとしている。
少し動くと、やはり38度となりますが、38・5度をこえることはなくなりました。
夜になり、やはりのどの痛みは増してきます。熱もあがってくるのです。
だんだんと、あきらめの気持ちも出てきました。そして、これ、普通の風邪とちがうし、と思うのです。デルタ株では、この、のどの痛みが、もっと下の気管支や肺に及ぶのですから、それは人の命を奪うでしょう。
この孤独はなんなのだろう。でも、私は、あしたどうなっても、私を見捨てることはしない。そう思うよし子さんでした。

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