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60日後に卒業した室田瑞希。

室田瑞希はワニが好きだと言っていた。アンジュルムの「タデ食う虫もLike it!」においても室田瑞希はワニを愛でていた。

ワニの最期は切なく、哀しい終わりだと僕は思った。人生の儚さがこの100日に凝縮されていた。

そしてワニ好きな室田瑞希も今年の1月に突然卒業を発表し、それから約60日後の3月22日にアンジュルムを卒業した。むろの卒業は世界情勢の煽りで無観客ライブとなった。仕方ないこととはいえ、例えば卒業延期という選択肢もあったと思う。アップフロントならそういう選択もありだったはずだ。

ただ、むろは事前に決まっていたアンジュルム船木結の卒業を延期させて自分の卒業を発表した。そこは彼女のワガママだったと思うから、ここで更に延期というのは、やはり難しかったんだろう。何より本人的にも延期は無いというスタンスだった気もする。

人生の選択は常に何が正解かなんて分からない。様々な出来事が重なって室田瑞希の卒業は無観客で行われた。

むろのことを熱く応援していたヲタには辛い結果だと思う。これは30日に解散するこぶしファクトリーに関わる人たちにしてもそうだ。みな歯痒い思いでいっぱいだろう。

それでも室田瑞希の卒業ライブは、今できる最大限の内容で、実に室田瑞希らしく幕を閉じた。僕らは直接声をかけられなかったけど、その代わりにハロプロ全メンバーが暖かく見守って声援を送ってくれていたのが画面越しにも伝わってきた。

ひなフェスのセットリストにプラスされた卒業セレモニーだったが、その前に一個だけ触れておきたい。今回のひなフェスでは各公演でソロを歌う子が決まっていた。

アンジュルムプレミアムでは橋迫鈴ちゃんがソロを獲得した。何を歌うのかなぁと思ったら、まさかのBerryz工房「ハピネス〜幸福歓迎〜」でイントロかかった瞬間に声が出た。

なんか急に研修生発表会みたいな雰囲気になって、全アンジュルムヲタは母性が溢れ出て大変なことだっただろう。むろの卒業で次世代を担うりんちゃんが堂々と歌っている姿は未来への可能性で輝いて見えた。良いものを見た。

そしてむろの手紙である。

全文はレポートが上がっているで読んでもらいたい。本当に“むろらしい”全方向への感謝の言葉だった。先輩後輩関係なく「ありがとう」という気持ちを素直に言葉にできるって素晴らしいと思う。

手紙のあとで歌ったのは「君どけじゃないさ…friends」アコースティックバージョンだった。

心では葛藤して 涼しげな顔をして
生きるために現実(いま)を走ってる

明るく元気というイメージの室田瑞希だが、等身大の姿はこの歌詞のように常に葛藤している子なんだろう。

今までは周りを気遣ってアンジュルムを盛り上げることに全力を注いでくれていた彼女だが、これからは自分のために全力を注いで輝いて欲しいと心から思う。

最後に心のこもった最高の歌を聴かせて貰えた。

そこからはドレスのスカート部分を取り外し、室田瑞希らしさ全開の超短いパンツスタイルになりアンジュルムメンバーと共に「カクゴして!」が始まる。

君の声聞かせて

蒼井優がアンジュルムに落ちたキッカケの曲であり、蒼井優が室田瑞希を発見したセリフ。

更に最近の卒業では定番となっている「恋ならとっくに始まってる」のセリフも勿論、室田瑞希からスタート。

どうなるか わかんないけど
うん 受け止める
だって もうとっくに始まってる

そして「大器晩成」

思えばスマイレージからアンジュルムへと名前が変わり、ヲタも含めて不安しかなかった状態の時に加入したのが室田瑞希、相川茉穂、佐々木莉佳子の3期だった。

3期と「大器晩成」が今のアンジュルムの強さを構築したことは誰も異論はないだろう。

どんな時代にも流されずに

キラキラとした瞳で歌い上げる室田瑞希を観られる最後だと思うと胸が詰まりそうだった。

だが、そんな感傷も「46億年LOVE」が吹き飛ばす。

この曲のパワーは本当に偉大だ。そしてこの曲も室田瑞希の見せ場がある。

もしも争いのない時代
誰かが堪えてたら意味ない

並べてみると不思議だが、全ての曲が室田瑞希の心を表現しているように思えてならない。偶然なんだろうが、そんな曲たちの重要なパートを室田瑞希が任されたのは必然だったんじゃないだろうか。そう思えてならないのだ。

最後は「友よ」だった。

アンジュルムの卒業定番ソングになった「友よ」は、もはやパブロフの犬のようにアンジュルムヲタは自然と涙が出てしまう。

ありがとう 出会ってくれたこと
ずっとずっと 君は かけがえない

アンジュルムとしての室田瑞希は完結したが、彼女の人生はまだまだこれからだ。楽しんで、楽しんで、楽しみ尽くして欲しい。そしてコロコロと笑う室田瑞希をこれからも僕らに見せてくれることを楽しみにしてる。

さよならじゃない そうバイバイだ!

むろ、おつかれさま。

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