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そののちの猫

   


歳をとった家猫は猫又になるというけれど、うちの猫もなかなか仕上がってきたような気がする。

人語はなんとなく理解できるようになってきたし、性格も妙にこなれた感じになった。
大変な人ギライだったのが、来客があれば
「わたしだ」
と現れ、ひざに乗る。
それはまるで犬くんの「ぼくです」の高倉健版みたいに実に奥ゆかしく。

お仏壇に手を合わせると、走ってきて参加するようになった。
なんか変なもんが見えていたらいやだな。

これからの成長がますます楽しみです。

新居に連れてって一緒に暮らせればよいのだけれど。
夫もうちの猫が大好きなのだけど。
あのこは猫エイズのキャリアなのでストレスはご法度。
お医者さんと家族と話し合ってのきめたことです。
そもそも猫も家が好きだしね。
なんてことない、私が帰ればいいだけのことである。

猫は猫で、なんとなく理解したようで。
ちかごろは私が実家を出た後も、ビタイチ変化なく過ごしているそうです。
のみ込みが早くておねえちゃん助かるよ…(ちょっと寂しい)


ついでにちょっと、新居の話。

お向かいさんは猫を二匹飼っている。
まん丸の黒猫とミルクティ色の長毛の子。
うちのマンションはペット2匹までOKなのだ。

共用部の廊下に面した窓からときどき顔を見せてくれるので
「今日はどっちの子かな」
と、前を通るのをひそかに日々の楽しみにしている。

「今日は黒い子がいたよ」
「今日は長毛の方がいたよ」
なんて、夫とニコニコ話していたのだが
どうも「長毛の子」の話にズレがある。
ビビり具合や目くその付きっぷり。共有しあう情報がたまに何かが違うのだ。

最近気が付いた。

3匹おる。

黒の丸い子と、長毛の子と、
そっくりな長毛の子がもう一匹、おる。

双子と見せかけて実は三つ子が入れ替わっている…!
これ探偵漫画でみたことある!

このトリックを使えば、似たような猫なら無限に飼えるというわけだよワトソン君。
管理人さんはあざむけても猫好き夫婦の目はあざむけなかったようだね。

…いや、別にトリックでも何でもないと思う。
なんかの事情で預かってるとかそんなとこでしょう。

近年まれにみる酷暑で暑い日が続きます。
だるい日もあるけれど、そこの廊下を通る時
「壁の向こうに猫3匹もいるんだ…」
って思うと、ちょっとだけ元気出るので、非常に、良いです。





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