「育」という漢字が示すもの
みなさん、あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします
さて、新年なので、漢字の話。
「育」という漢字をみて、どのような言葉を連想するだろうか。
「教育」「体育」「育児」「育成」という言葉が思い浮かぶのではないだろうか。
ここで、この言葉が他動詞的に使われることに注目してほしい。
「教え育てる」「体を育てる」「子ども(児)を育てる」「育てて成る」
このように、「育」という漢字は、育てるという他動詞的に使われることが多い。
一方で、この漢字は「子どもが育つ」「社会が育つ」など、自動詞として使うこともできる。
だが、「育つ」よりも「育てる」として使われることの方が多い。
これは、実際の保育においてもそのように感じる。
どこか、子どもを未熟な存在として捉え、大人が子どもに対して、「育てる」という、一方的な関わりになってしまっているのではないか。
倉橋惣三の「育ての心」という本がある。
冒頭、倉橋はこのように述べている。
自ら育つものを育たせようとする心、それが育ての心である。
「育てる」のではなく、「育つ」が先に来ているのだ。しかも、大人が「育てよう」「育たせよう」という表現。
なんと、子どもの内なる力を信頼している表現ではないか。
私はこの倉橋のように、大人がもっと子どもの力を信じ、「育つ」という言葉が使われるようになればいいと感じる。
そのような世界を、私も保育者として目指していきたい。
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