何者でもない私が、何者でもない自分を少しだけ好きになるまでの話
「私って何者なんだろう?」そう思い始めたのは18歳の春。長かった大学受験が終わったころだった。第一志望の入試の帰り道、サンマルクで達成感と虚無感に駆られながら、それまで制限していたスマホを食い入るように弄っていたのを覚えている。そのすぐ後に私を待ち受けていたのは、真っ暗とも真っ白ともにつかない、何も道しるべになるものがない”空っぽ”のような時の流れだった。それまで部活にしろ勉強にしろ、周りに合わせて生きてきた私は、18歳になって初めて「自分でやりたいことを決める」段階に立った