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命の限りを全力で生きる

私が今回ご紹介したいのは私の好きな本である「君の膵臓をたべたい」です。映画化などもされている素晴らしい作品なので知っている方も多いと思いますが、私の注目してほしい点や感想を見たうえで改めて見直してみてほしいと思いここでご紹介させていただきます。



<あらすじ>
この物語は、主人公である無気力な高校生の「僕」と、明るく元気な同級生の山内桜良によって展開されます。「僕」がある日、桜良の日記を拾うことから二人の交流が進んでいきます。日記には膵臓の病気により彼女の余命が少ないことが書かれていて、その秘密を知った唯一の友人「僕」は日々彼女との楽しい思い出作りをして過ごしていきます。この小説は、生と死、友情、愛情、そして一人一人の人生の意味について深く考えさせられるストーリーになっています。

<読んでみての感想>
私はこの物語において「僕」と桜良の関係性の変化が特徴であると感じました。残り少ない桜良の人生の中で「僕」と彼女の友情は日を重ねるごとに変化していきます。お互いの関係性の変化を感じながら物語を読み進めることで、それぞれの人物に自然と感情移入することになります。物語に深く没入していくことで、衝撃的で感動的なクライマックスに目が離せなくなります。

(以降ネタバレあり)私がこの小説の中で一番二人の関係性の変化を感じた部分は桜良の日記で、この本のタイトルでもある「君の膵臓を食べたい」と書いていたことを「僕」が知るシーンです。「爪の垢を煎じて飲む」ということわざを桜良の膵臓の病気に合わせてもじったこの言葉は、価値観が正反対の「僕」と桜良がお互いに最大限の尊敬を感じていたことが分かるシーンです。「僕」と桜良が短い時間をともに過ごして築いてきた関係性をまとめた最後の言葉でもあります。

私がなぜこのように感じているかは作中の桜良の言葉からも読み取れます。「僕」がすべての物語は偶然的だと言ったのに対して、桜良はすべての物事には理由があると言い、日記は二人を引き合わせてくれたのだと言いました。磁石のように真逆の存在に惹かれ合い、最終的に一致するというのがこの話の二人の関係性の形なのだと私は思います。

私はこの作品には日々を大切に過ごしてほしいという作者のメッセージがこもった作品であるとも思っています。ぜひこの作品を読んで今一度自分の人生を考えるきっかけにしてほしいと思いました。

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