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実録「わたしの出産」

この夏、第二子を出産します。現在、妊娠8か月。

出産まであと2か月余りというところなのですが、初産だった前回との違いは「すでに陣痛怖ええ…」

前回は「痛いっていっても多くの人がみんな耐えてきたやつでしょ?」くらいの気持ちでリアリティがなく、実際に陣痛が始まるまでは「どんなもんかな〜、早く来ないかな〜」とか思っていたのです。

予定日過ぎてもなかなか産まれないし兆候もなく
「出産 兆候」「陣痛 生理痛 違い」「陣痛 腰痛 違い」「前駆陣痛とは」
…などを、ひたすら検索していました。

そうやっていろんな人の出産レポを読んだ果てに分かったことは、
「出産、人それぞれすぎて全然参考にならん」

あと、体質改善により、数年間生理痛をほぼ感じない状態だったので「生理痛のような痛み(前駆陣痛をそう表現しているSNSなどを見かけた)…どんなんだっけ…」とかも思ってたな。

そんなわけで、誰かの役に立つとは思ってないのですが、約2年前、第1子出産の時のメモをここに載せます。
あくまで私の場合。あと、感染症パニックなどもなかった時代(たった2年前…)の話なので、今の初産婦さんから見たら、呑気なこと極まりないのかもしれない…

まぁ、主に自分のためのメモです。

産後1か月くらいの時に書いたものに加筆修正しました。
その時すでに出産時のことをだいぶ忘れかけており、忘れたくない!…と焦ってスマホのメモ機能に書きました。
記憶と、家族との連絡の形跡(スマホの発信履歴やLINEなど)などを見て書いてます。

以下、メモ。

8月20日(火)
朝9時ごろ、やっとおしるし?
その後もだらだら続くので、調べてみたら粘液栓かな?
前日、内診でグリグリしてもらったのが良かったかも。
とりあえず様子見。

8月22日(木)
前日寝る前から前駆陣痛かな?という痛みがあった。
火曜から続く粘液栓も引き続き。
明け方目が覚めて、やはり痛い。
20分間隔くらい?

自宅(関西)にいるオットを呼ぶか迷う。
が、かなり痛くて(あとで思えば序の口だったけど)気持ちが弱くなり、5時すぎにとりあえず現状報告のLINE。
でもやっぱりオットについててもらわないと無理…!
「まだ分からないっちゃ分からないけど、
もう来てほしい」と6時頃電話。
オット、会社をこの日から休み、お昼のフライトを予約。

午前9時、計ったら20分間隔に。
午前10時、間隔が15分切ったと思うので病院に電話。
入院準備してくるように言われる。
11時、受診。
腰の痛みがあると伝えたら入院になる。
院長先生がエコー見てくれて、
「うーん、お顔が見えないなぁ」とか言うので、
心の中で『先生、もはや顔はいいので早く入院させてください…』と念じる。
子宮口は指1本分。

12時、入院早々お昼ごはん。
陣痛のたびに中断しつつも元気に食べる。
まだ余裕。

15時すぎ、オット到着。
楽しくおしゃべりしつつ、ふと気づけばなんだか痛みが遠のいている。
こ、これは…まずい…。
陣痛引いて家に帰らされた、という友人の顔が浮かぶ。
ベッドの上で四つん這いになり子宮の収縮を促す(効果あり)。
三陰交も押しまくる。

途中、新生児室を見に行くなどしてやる気を出す(というか、すでに陣痛怖い、痛い、ってなってたので、奮い立たせるために)。
赤ちゃんかわいい(何回か見に行った)

お医者さんや助産師さんが部屋にやってきては「どうですか〜?」と聞いてくれる。
反射的に「大丈夫です」と答えてしまうけど、
「大丈夫だとあんまり良くないんだけど…」と言われる。
ちがうんです、この「大丈夫」は、そういうことじゃないんです先生…!

途中、時間忘れたけど分娩監視装置装着。
陣痛が引き気味なことが助産師さんにバレる。
オオカミ少年の気分。
四つん這いになって痛みを呼び起こす
→16時くらいからまた痛みが10分おきに。

17時ごろ?夕方の診察。
子宮口、いまだ1センチ。
先生に「一旦帰る?」と聞かれ、
この1時間はまた痛みが戻ってきたんですとアピール。
なんとか帰宅を免れる。

当直の担当の助産師さんが挨拶に来る。
「まぁ今夜生まれることはないですよね」という空気感を感じてしゅんとする。

18時、夕食。
食欲減退。耐えながら食べる(完食できない)

18時半、嘔吐。
なんとなく気持ち悪いな〜…ん?やばいかも!…と、慌てて手近にあったビニール袋を掴む。
その一連の動きが狂気じみてたらしく、
オットが怯えた目でわたしを見ている。
つわりでも吐かなかった人が陣痛(序盤)で吐いたことに夫婦で動揺。
ナースコールすると、
「あらあら〜よくあることよ〜これでお産が進むかもね!」と爽やかに言われる。
ツラくなればなるほど喜ばれる、それが産科。

21時少し前。
「今日はまだ生まれないと思いますんで」と、
母とオットが面会時間終了で帰らされる。

その頃のツイート。


とにかく痛くて、この痛みの意味は?ってずっと考えていた。
神様、こんなに痛くしなくても愛情もって育てられますよ?こんなに痛くする必要なくないですか?痛み抑えたほうが産みたい人増えると思うんです。

痛みがくるたびに、5児の母である友人のことを考える。尊敬しかない。えらすぎる。これ5回もやってるとか超人。超人にお腹なでてもらったからご利益あるはず。
ご利益ってなに?痛いんですけど…!

22時30分過ぎ、この日最後の分娩監視装置装着。
痛みは10分間隔である気がするのに、
グラフに出てる山が少ないらしく、まだまだと言われる。
いやもうめっちゃ痛いんですけど!
でもオオカミ少年の気持ちで萎縮しまくり。

「一旦寝てから、夜中にトイレに行ったタイミングで赤ちゃんの心音を取るので、
トイレに行ったらナースコールしてください」と言われる。
痛みがあるので寝るに寝られず。

12時半、しかしそろそろトイレには行かねば…と思い、起き上がる。
起き上がった途端にムカムカして嘔吐。
ナースコール。

急遽、再び分娩監視装置。
…の前によろめきながらトイレ。
トイレに座ると必ず痛みがくるのなんで…(泣)
よろめきながら部屋に戻る。

担当じゃない別の助産師さんが、
陣痛のたびに腰をさすってくれる。
ありがたや…

2時半、担当の助産師さんから、
「まだ子宮口はあんまり開いてないけど、
お産が急に進んでる気がするからご主人だけ呼びましょう。
陣痛の合間に。いま、いま電話できる?」
と言われ、オットに電話。
スマホ握りしめてうたた寝してたらしいオット、すぐ出てくれた。

たぶん3時頃、オット到着。
陣痛時の腰さすりを依頼する。

とはいえ、すぐには生まれそうにない。
「寝れる時に寝てください」と、助産師さんがオットに枕と毛布を渡す。

痛みがぐんぐん強くなる。
腰の痛みに加え、お尻が中から押される感じの激痛。
陣痛が来たら背中を丸くして息を吐くように言われる。
オットに腰をさすられると、どうしても背中を反ってしまうので、
途中で「もういい」と拒否。
役割がなくなったオットの、眠気との戦いが始まる。

助産師さんが、腰をさすったりお尻あたりを押してくれる(これで痛みが和らぐ…)。

オット、「妻に水を飲ませる」という新たな役割を得る。
助産師さんからストローをいただく。
そうか、ストロー(長め)がいるのか…知らんやった(リサーチ不足)。
あと、アイスノンをいただく。とにかく暑い。

途中、助産師さん越しに、オットがソファに倒れこむ姿を確認。
コイツ、まじで寝ようとしてやがる…って一瞬思ったけど、口に出す余裕はナシ。
そりゃこの時間普通の人は眠いよね、と冷静に考える。
オットは、はっ!と起き上がったり倒れこんだりを繰り返す。

時間わからないけど、陣痛室から分娩室に移動しますと言われる。歩いて移動。歩けねーわ!って思ったけど、支えられながら歩く。

たぶん、陣痛室を出るタイミングで、
オットにビデオカメラを手元に持っておくよう指示した記憶。

分娩台に上がると(上がるのもつらくてすべてがスローリー)、
「嘔吐もしてるので早めに点滴入れます」とのことで点滴を入れられる。
はいはい、もうなんでもいいです任せます。

子宮口も開いてきたものの、まだ全開じゃないと言われた気がする。
膜がしっかりしていて破れない、
でも赤ちゃんが中から一生懸命押しているという状況らしい(けなげ…)。

どのタイミングか忘れたけど、助産師さんから
「進んできたから朝には生まれるよ」というようなことを言われる。
それまで痛い痛いとしか言ってなかったけど、そのとき、「もうちょっとで会えますか?」と聞いたら、助産師さんが笑顔で「うん、もうちょっとで会えるよ!」と答えてくれる。

このくらいで破水したのかな?
まあまあ終盤。
強固な膜に包まれた私の羊水と赤ちゃん…

内診のタイミングでオットは部屋の外に出されるんだけど、
その時に「ご主人、血とか大丈夫かな?」と聞かれ、
「もしかしたら苦手かも」と答える。
オット、ギリギリまで外で待たせることが決まる。

オットは外に出されたり中に呼ばれたりしつつ、
私に水を飲ませる係に徹する。
たぶん7時半頃?
オット、再び部屋の外に出され、
エプロン?的なものをつけるように指示される。
もうすぐだ!
その間にオットが私の両親に連絡。

エプロンをつけたオットが分娩室に入ってくる。
ビデオ片手に、水飲ませる係は継続。

もうすぐ生まれるらしいのに胎動もあり、
赤ちゃんが元気なことはめっちゃ分かる。
「赤ちゃんがすごく動いてるから向きが心配…」と何度かエコーで確認されている。

いつのまにか先生が来ている。
会陰切開もなんとなく「あ、いま切りました?」って思ったけど、まじでどうでもいい。陣痛が勝ってる。

いつのまにか助産師さんも2人増えてる。
ひとりは師長さん。
この頃もう叫びまくりなんだけど、
師長さんに「叫んだら意識が赤ちゃんに向かないから声を抑えて、ふーって長く息を吐くの!」と、やや怒られる。
ふーって息を吐こうとしても声が出る。

頭が出たよ〜と言われる。特別痛い感じじゃなくて、これまでの痛みの延長くらい。
師長さんが「あら〜ぱっちり二重でかわいいよ」と言ってくれたけどそれどころではない。頭が出たらしい直後、いま、いま痛い。なんなら痛み増してる。なぜ。
「肩が挟まってるから痛いけどもう少しだからね」と言われる。

痛い。痛い。もうさっさと産み終わりたい。
勝手に力が入るけど、先生に
「次の陣痛で全部出るから待って!」と注意される。
もう陣痛イヤや〜と明確に思ったけどぎりぎり飲み込む。

胸元に白い布が敷かれて
「ここに赤ちゃん連れてくるからね、抱っこするからね」と言われ、
オットに「メガネ…!メガネ…!」と指示。
(人生でもっとも切実なメガネメガネ)
メガネかけるも体が熱すぎて曇るので、布でしきりに拭く。

はい出るよー!とみなさんが励ましてくれて、ヌルッと出てくる感覚。
先生と助産師さんがニコニコして、「あら、スリムな子やったんやねぇ」「ほんと」と会話してると、泣き声が聞こえる。

終わったー!
8月23日朝8時過ぎ、産まれました!

むくむくにむくんだ息子が運ばれてくる。
なんかちょっとブサイクやけどかわいい。
「がんばったねー、待ってたよー、会いたかったよー」と言葉をかける。

メモは以上。
読み返してみると、なんかいろんな(しょーもない)こと考えたんだな〜という気持ちと、すっかり大きくなって走り踊りもりもり食べる息子が本当に私のお腹に入ってたなんて信じられないな〜という気持ちになりました。

最初に痛みを感じてから1日ちょっとで産まれてるので、いわゆる安産なんだと思いますが、私にとっては壮絶で世界中から褒めてもらいたいくらい頑張った経験でした。
個人差あるかもしれませんが、「陣痛、どのくらい痛かった?」という質問には「痛みの大きさじゃなくて長さやねん!めちゃくちゃ痛い状態がいつまで続くか分からないという絶望やねん!」と力説してます。

2か月後の第二子出産はどんなふうになるのかな。
ああ…陣痛怖い…(終わり方よ…)


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