rainを終えて。

毎日少しずつ進めて、ちょっとずつ書いていこうと思っていたものの、何日も書かず、もうrainをクリアしてしまっている僕である。このゲームを語るのは難しい。描こうとするのだが、ゲームにとっかかりがない。そもそも、これはなんだ?というゲームなので、何が何だかよくわからないまま進んでいくのである。

主人公は透明人間である。雨に当たることで姿を表す、というのがこのゲームのシステムの核になるから、当たり前なんだけど、なんで透明人間なのかが終盤までわからない。否、クリアしたところで完全にはわからないのである。わからないから、いい、という声もあるだろうし、わからないから、嫌だ、という声もあるだろう。僕は、わからなくてもいい、と思っている。

確かに、謎が解決されないまま終わると、すっきりしない。だけど、その謎が満足じゃなかった場合、それまでの過程すら否定されてしまう。だとしたら、いっそ種明かしなどしない方がいいのではないか。というのが僕の考えだ。サスペンスは、謎解きをしている時が一番面白いのである。解決は、ささっと終わらせてしまえばいい。オチががっかりで全体の点数が下がってしまう、という作品がどれだけあるだろうか。

rainは声を発さない。フルボイスじゃない、ということじゃなくて、しゃべることができないのだ。それが、こちらの考える余地を広げてくれる。ドラクエの主人公が喋らないことで、感情移入を促すように。

rainが面白いゲームか、と聞かれると、自信を持って答えることはできないが、好きなゲームかどうかだったら、自信を持って答えられる。多分、これは少し人を選ぶゲームなんだろうけど、そんなに予算はかけなくてもいいから、こういうゲームを作り続けて欲しい。NETFLIXのオリジナルドラマみたいな。大衆ウケに飽きている人は、少なくない数いるはずなのだ。

絶対やったほうがいい!と言えるゲームではないが、プレイすれば少し心が豊かになれる、そんなゲームだ。それは、単館ロードショーみたいなものだけど、「カメラを止めるな!」みたいなことは、ワクワクするじゃないですか。

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