カジノディーラーの日常　錦編　7話

オープンは19時だか18時過ぎにはみんな
出勤していた

今日は大丈夫だよなという雰囲気だ
俺は絶対やってやると思っていた

オープン準備が終わりコーヒーを飲んでいた時、外が騒がしいことに気づく

店長がドアを開ける

はやいですね〜

行列ができていた

噂が広まりこれは美味しいと
ガジリ達が集結したのだ

19時から店は大繁盛
1番テーブルオープン
2番テーブルオープン
3番テーブルも直ぐに開いた

3番はビック扱いだったが
この店はバランス台ではなく5点タップ
バランス台はディーラーの技術が上がるので
初めは5点タップにしようと店長が決めていた
この安易な決定が傷を広げる

ガジリ達は徹底していた
8人座っているのでフェイスオープンは
もちろん8回、1シューター40〜50ゲームぐらいなので6、7回に1回はフェイスオープンがくる
1ゲームも速いので直ぐにくる
50ゲームに1回ならイベント感は強いが
それだけあれば日常である
8、9がフェイスに来た時だけマックスbetだ

8、9だけが定石だが7でもマックスbetしてきた、確率論である

はっきりとした勝率はわからないが
7.8.9なら勝率50%以上あるのは間違いない
7.8.9がフェイスに来ない時もあるが
来ないなら直ぐに来る次のフェイスオープンを待てばいい、1回でも勝ち越せばいい
4勝3敗でもプラス3万か5万だ
8人掛けの3テーブルは満席だ
1番2番は3点タップ
３万×16人の48万
3番は5点タップ
5万×8人の40万
1シューターも勝負所はフェイスオープンしかなく他は流しなので早く終わる
最低でも確率論なら時速100万ペースで店は
ガンでいく(負けていく)

もちろんこの時はこんな事は考えていない
飛び交う注射(チップケースに追いチップ)と
確実に増えていくお客のチップに
イライラしていた

普段大人しいガジリ達も勝負所では
マックスbetしてるので気分はビックベッターだ、ゲーム数を稼げば必ず勝てると思っているので
早くシャッフルしてくれよなと
ディーラーを煽る
スロットの高設定と一緒だ
この台は回せば必ず勝てると踏んで
カチ盛りする時間すらもったいないと
ぶん回した経験がある人は多いと思う

ガジリ達が悪いわけではない
ルール上なんの問題もない
店側のルール設定が甘いのだ

マイナス1100万この日の売り上げだ
(上がってない)