見出し画像

Spotifyに音楽付きトークを配信できる「Music + Talk」

久しぶりの更新となった。ポッドキャストで話したが、新型コロナウイルスに罹患し、自宅療養をしていた。無事に隔離期間は終わっているが、本調子とは言えず、徐々に復帰している。

---

Spotify の「Music + Talk」が日本でも開始

そんな自宅療養中。Spotifyに大きな動きがあった。

Spotify、音楽とトークを組み合わせた「Music + Talk」日本でも提供

米国ではすでに始まっていた機能だが、ポッドキャストのトークにSpotifyで聴ける音楽を交え、配信できるようになったのだ。

この機能は「Music + Talk(ミュージック アンド トーク)」と呼ばれる。

「Music + Talk」を配信できるのは、Anchorを使って配信するポッドキャストに限られる。

なお、仕組み上、この配信を聴くことができるのは「Spotify」のアプリを使った場合のみだ。SpotifyでもWebプレイヤーでは再生できない。

下記のように、サイトに埋め込むことはできるのだが、アプリでの再生ではないので、このプレイヤーで聴くと、音楽が再生されない。トークだけとなる。

音楽付きで聴きたい場合は、プレイヤーの「Spotifyロゴ」をクリックして、パソコン用またはスマホ用のSpotifyアプリで聴く必要がある。

Anchorでは、これまでも1つのエピソードで、複数のトークのセクションを組み合わせて配信することができたが、音楽も1つのセクションとして扱われる。

おそらく仕組み的に、アプリで再生するときに、Spotifyのアプリで音楽を再生し、音楽が終わったら戻ってきてトークのセクションを再生するという形で、裏側で切り替えることで、音楽の再生はSpotifyでの再生扱いとし、著作権者となるアーティストに還元することで合法的に機能させているものと思われる。

また、Spotifyの無料ユーザーは音楽は30秒しか流れず、プレミアムユーザーのみ音楽がフルサイズで流れるという区別もある。これからも分かるように、エピソード毎に1つのファイルになっているわけでは無いようだ。

音楽とトークでセクションが分かれ、アプリでの再生時に裏側で切り替えて、擬似的に1つのエピソードとして配信するわけだ。そのため、Spotifyアプリ以外では再生できないということになる。トークのBGMに音楽を流したり、イントロ部分でトークを重ねたりできないのもこのためだ、音楽とトークで配信もとが切り替わるからだ。

しかし、擬似的とはいえ、これまで不可能だった、メジャーな楽曲を自分のトークに交えて配信するという体験は、やってみると予想以上に面白く、理想的とは言えないまでも、これまでにない新しい配信体験を味わうことができる。

Anchorの機能が復活

早速、Anchorから配信していたポッドキャスト「mini MY CUP OF TEA」で試したのだが、通常のエピソードと違いがある。

「Music + Talk」で配信するエピソードは、配信前に審査が行われる。そして、日時の予約投稿もできない。現在、審査には1時間くらいかかるが、エピソードの長さによって違いはありそうだ。

そして、もう1つ大きな問題があった。「Music + Talk」のエピソードは、Spotifyでしか表示されず、そのほかのプラットフォームではエピソードがあることも分からない。

以前からのAnchorユーザーならば知っているかもしれないが、Spotify買収前のAnchorでも似た機能は存在した。

当時は、SpotifyとApple Musicと連携し、トークに音楽を交えることができた。音楽付きの配信はAnchorアプリで聴いた場合にのみ再生され、音楽部分は30秒だけ流れるのだが、Spotifyのプレミアム会員やApple Musicのユーザーはフルサイズで楽曲が聴けた。

ただ、Anchorアプリ以外のプラットフォームにも配信され、トーク部分のみが残って音楽が削除されていた。そこで、自分は音楽を流す前後に短いジングルを入れ、トーク部分だけ聴いても違和感ないようにしていたが、音楽も聴きたい場合はAnchorアプリで聴いて欲しい、という形で配信していた。

しかし、この時からもトークと音楽がうまく切り替わらなかったり、ベースが米国のSpotifyなどになっていたようで、米国では配信され、日本のSpotifyには入っていない曲などでおかしくなった。再生が途中で止まったりしたのだ。

そのうち、AnchorがSpotifyに買収され、この機能がスムーズになるかと思いきや、徐々に選べる曲が減っていき、最後には曲を選ぶメニューが無くなってしまった。

Spotifyによる買収の悪影響だと嘆いていたが、忘れた頃に期待していた通りスムーズになって復活した。もちろん、Apple Musicとの連携は無くなっている。

そして、今回はAnchorアプリでも聴けず、Spotifyアプリでのみ再生となっている。ただ、他のプラットフォームへの配信は、Anchor時代と変わり、バッサリと無くなってしまった。希望としては以前のように音楽を抜いたトーク部分のみ配信して欲しいところだが、残念ながら提供されないようだ。

音楽を抜いたトークは、ちょうど上に貼ったWEBプレイヤーでの聴こえ方と同じだったので、きっと技術的にはできるのだろうが、戦略上の見送りだろう。

「Music + Talk」の特徴

「Music + Talk」はAnchorからしか配信できず、Spotifyでしか聴くことができない。オープンな仕様であるプラットフォームである「ポッドキャスト」というよりは、独立系の配信アプリに近い。

独立系の配信アプリには、ライブ配信する機能もあったりするが、Spotifyも別アプリになるが、Spotify Greenroom という機能もある。このメジャーな音楽が流せるという機能は、他の配信アプリで真似することが難しいため、独立系の配信アプリの動きが注目だ。

「Music + Talk」と同様の機能ができるとしたらAppleとAmazonくらいになるかもしれないが、それぞれプラットフォーム限定になるだろう。ダークホース的にLINEやAWAなどがやってこない限り、日本のサービスでは難しいのではないだろうか。

さて、Spotifyの「Music + Talk」の特徴を配信側と視聴側でまとめよう。

配信側の特徴

・配信できるのはAnchorのみ
・Spotifyの無料ユーザーでも配信可能
・音楽とトークはきっちりとセクションが分かれる
・プレビューでは音楽は30秒しか聴けない
・公開前に審査がある
・日時指定ができない
・公開後に再編集するには、公開停止しないといけない
・公開停止し、再度公開する場合にも審査が必要
・再度公開した場合、日時が再申請の許可日時に変わる
・Spotify以外には全く配信されない

視聴側の特徴

・聴くことができるのはパソコンまたはスマホのアプリのみ
・ブラウザ版のSpotifyでは再生できない
・スマホのアプリでは収録曲のセクションが確認できる
・パソコン版のアプリでは収録曲が分からない
・ウェブサイトに貼ってあるプレイヤーでは曲が削られている
・音楽部分は、Spotifyの無料ユーザーは30秒のみ再生
・30秒がどこの部分かは曲によって違う
・無料ユーザーでもシャッフルにならない
・プレミアム会員はフルサイズで曲が聴ける
・曲の再生中にハートをタップするとお気に入りに保存される

現状では、スマホのアプリで聴くのが一番快適のようだが、アップデートで変わるかもしれない。

Anchorのポッドキャストをリニューアル

少し試してみると、やはり視聴するアプリが限定される影響は大きく、他のエピソードと比べると再生数が大きく下回る。また、同じユーザーが複数回再生しても1再生となっているかもしれない。再生数の反映も時間がかかっている気がする。動きが鈍い。

通常の配信に比べて視聴数が伸びないため、これをメインにしても良いか迷うところだったが、それでもメジャーな音楽を流せる体験は面白い。メインにしていきたいが、Spotify以外のプラットフォームへの配信も考えると、音楽なしのエピソードも必要になってくる。

新たにSpotify限定の番組を作っても良いのかもしれないが、番組を増やしたくもないので、現在Anchorから配信している番組を急遽リニューアルすることにした。

Anchorから配信する「mini MY CUP OF TEA」はシーズン3から毎日1回3分の配信をしていた。「Music + Talk」を配信するとSpotify以外のプラットフォームに毎日配信するのが難しくなり、3分以内に収まるはずがない。そこでシーズン4に変更することにした。そして、番組名も変更した。

「THE SOUNDTRACK // MY CUP OF TEA」として音楽番組に振り切りつつ、アートワークの修正は少しだけにし、同じ番組と認識できるようにしたつもりだ。

16年半前の配信から、クリエイティブ・コモンズの楽曲やポッドセーフと呼ばれてた楽曲、アーティストに直接許可を取った楽曲などを用意して、トークや曲紹介を別録りして編集で重ねていた。

基本的には同じ要領なので、慣れているというのもあるが、これら曲探しから録音して配信するまでの作業がスマホだけで完結するのが驚きだ。何本か配信しているが、全てスマホだけで配信している。こんなにも簡単になりつつ著作権の心配もしなくても良いというのは素晴らしいとしか言いようがない。

ということで、音楽番組として再スタート。Spotify限定なので視聴者数は減るだろうが楽しみながら続けていって、この機能がもっと普及することを期待したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?