「RSS」ってなんだろうか?
ポッドキャストサービス「LISTEN」は、正式リリースが2023年6月と、まだまだ新しいサービスであるが、以前から機能のアップデートが早く、コミュニティの要望も積極的に取り入れることで急激に成長しているサービスである。
年末年始にも機能追加などが多くあり、その中でもRSS周りの対応が素晴らしすぎて、私自身のポッドキャストの聴き方がかなり快適になった。とくに聴いた番組へのリアクションやコメントのしやすさが格段によくなったのだ。
ところが「RSS」というものをどれほど認識されているのか。かつてのブログブームの時には、RSSを活用したサービスなども多く、ある世代以上では馴染みがあるとは思うのだが、若い年代やブログブームをそれほど通っていない者にとってはRSSといってもピンとこないのではないだろうか。
そこで、シリーズ化して、RSSってそもそもなんなのか。そんな解説とともに、LISTENでどんな活用の仕方ができるのか。自分のメインの視聴アプリPocket Castsでの活用方法などを紹介していきたいと思う。
RSSってそもそも何?
RSSの辞書的な意味も分かりづらい。そもそも何の略かというところも、「Really Simple Syndication」であったり、「Rich Site Summary」であったり、複数存在するのだ。また、バージョンも0.9くらいからよく使われるようになり、1.0と2.0と順当にバージョンアップしたわけではなく、分裂して1.0系と2.0系で分かれちゃったりと、素人目にはややこしい。ちなみに、ポッドキャストは2.0を使っている。
このようなゴタゴタと、Atomという後継の規格などもでてき、ますます複雑になっていく中、SNSがインフラ化していくと、最初はSNSもRSSに対応していたが、TwitterがRSSを出力を止め、GoogleもRSSリーダーのサービスをやめたりと、徐々に衰退していったところがある。
ところが、LISTENのおかげで自分的にはブーム復活。古き良きインターネッツ再興である。ここでは、本来の意味合いなどは少し置いておく。概要のみ説明する。
RSSとは、要するに「サイトの更新情報を記述したもの」である。
ブログやニュースサイトなどの更新情報をサイトに訪問せずに知ることができる。RSSの情報を読み取る「RSSリーダー」を使うことで、タイトルと更新日時、概要などを受信して一覧で見ることができ、詳しくみたければ訪問する感じだ。
メールのタイトルを確認して必要なものは本文を見る感じに似ている。
ポッドキャストの仕組み
ポッドキャストは、このRSSの技術の上に成り立っている。かつては動画やPDFにも対応していたが、現在、主に音声に特化したRSSリーダーがポッドキャストアプリと言える。
配信者は、音源と共にRSSを用意する。ポッドキャストアプリは購読したRSSを定期的にチェックし、更新されてたら音源をダウンロードする。そしてiPodに転送する。
そもそものポッドキャストの仕組みだ。RSSの技術とお約束の上で成り立っている。
これが何がすごいか。同じくRSSの技術の上に成り立つブログ。メディアや出版社ではなくても、個人が文章を発信し、読者はRSSで購読することで継続的に受信できるため、テキストでの情報発信、情報収集が圧倒的に、爆発的に情報量が増えるとともに多様性が広がり、豊かになったことだ。
ポッドキャストも同じで、メディアや放送局ではなくても個人で音声を発信して、それを継続的に届けることができることで、音声での情報発信の敷居が圧倒的に下がったことだ。
ただ、まだブログほどの爆発的な情報量と多様性とは言えないが、その片鱗は見えてきているのではないだろうか。
しかし、更新情報はRSSではなくSNSで良いんじゃない?という風潮により、RSSは衰退したように、ポッドキャストもRSSありきではなくなってきている。RSS自体がゴタゴタしているのも要因かもしれないが、更新情報はRSSではなく、つまりRSSに対応したポッドキャストアプリではなく、SNSやアプリ内のランキングやおすすめで良いんじゃないか、という状況になってしまっている。
これの弊害は、SNSでの情報発信が必須であり、情報発信の上手さがリスナーの獲得に直結すること。つまりSNSへの依存度が高くなること。そして、プラットフォームのおすすめ、出したいコンテンツ、意図が強くなり、多様性が薄れていくこと。
どちらにしても新しい番組を知る、また新しいリスナーに伝わるには情報発信は必要にはなる。その部分でSNSも必要だし、他の媒体も必要になるが、どれかに依存しすぎることは危険だ。また、プラットフォームに依存しすぎるのも好ましくない。
好きなブログやTikTok、YouTube配信から、ポッドキャストもやってるんだ、購読しよう。あるいは、実際に会った人、SNS上の気に入った人がポッドキャストもやているんだ。購読しよう。そういうフラットな使い方で便利なのが、本来のRSSの役割となる。そして、RSSに対応したポッドキャストアプリだ。
Apple PodcastはRSSにきちんと対応してくれているのは嬉しい。昨今、勢いがあるSpotifyやAmazon Musicは対応しておらず、逆に独占配信などに力を入れているので、このようなポッドキャストのそもそもの在り方とは逆行したものに感じる。
面白いのは、後発となるYouTube MusicはRSSでの購読に対応している点だ。また、LISTENがとてもRSSライクな動きをしている。RSSに基づいたポッドキャスト本来の面白さの復活を感じている。
そんな話を今後少しシリーズ化して書いていきたい。
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