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海外製アバターの買い方と注意点

前回の記事、たくさんの方に読んでいただけたようで誠にありがとうございました。まだ読んでいない、興味のある方は是非こちらをご一読ください。

その後、色んな方から質問をいただきましたがその中でも多かったのが海外製アバターの購入の仕方とその内容を精査する方法に関しての質問でした。この記事ではできるだけわかりやすく説明してみますので、興味のある方は参考にしていただけると助かります。

記事の概要は以下に分けて説明します:
①探し方
②合法性を精査する方法
③利用規約の違い
④和製アバターとの違い
⑤まとめ(☜読むのが面倒くさい人向け)

※個別パーツなどの販売に関してはあまり触れてませんのであくまで「アバター」を買いたい人向けの記事となっております。

①探し方

和製アバターの多くはBooth上で販売されていますが、海外製はストアが複数種類があるので合理的にアバターショッピングをすることは中々できませんが、ある程度情報が密集している場所が何か所かあるので上手に利用すれば色んなアバターを見ることが出来ます。

Gumroad
海外版Boothと呼ばれるサイト「Gumroad」。使い勝手はBooth程ではありませんが、大多数のクリエイターが商品を寄せるマーケットです。

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「VRChat」を検索すると相当数のアバター、アセット、ギミック、ツール等色々出てきます。フィルターや値段帯などで検索を絞ることはできますが、Booth程統制は取れていないのである程度の「違法アバター」が混在することもありますので多少の注意も必要です。こちらに関しては後程詳しく記述します。

Jinxxy
ここ最近人気を出しているメタバースを中心としたSNS「Jinxxy」。マーケットプレイスを見ると色んな人の出品を見ることが出来ますが、個々の販売ページに飛ばされるため、実際の決済はGumroad等で行います。

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検索自体はアバター、服装、髪型、ケモミミ等といった感じで分けて検索がかけられるため、ブラウジング機能に関してはかなり使いやすい。そして問題となりやすい「違法性」の高いアバターはパッと見かなり少ないです。


Discord
皆さんはお気に入りのBooth作者さんをTwitterでフォローしていませんか?
海外層では似た文化があり、Twitterではなく作者がDiscordで個々にコミュニティーを培っていることが多いです。

例として私が以前Twitterで紹介したCupcake様のDiscordをお見せします。
(招待リンクはこちら:https://discord.gg/HrmJCQrJ6P

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一件チャンネル数が多いように見えますが、それぞれ雑談やWIP、サポート等色んな役割を持ったチャンネルがあります。

その中でも下の方にある「#avatar-marketplace」、または「#asset-marketplace」に行くとこのような光景が見えます:

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他のクリエイターが自身の商品をPR。ちなみにこちらのサーバーのマーケット利用規約は2022年1月の時点で既にかなり厳しく、以下の様に書かれております:

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マーケット利用規約(一部割愛):
・モデルの全ての利用パーツの作者及びに販売URLの記載必須(DMのみの販売禁止、Discord鯖のURL記載禁止)
・URLの無いアセットは禁止、見つかった場合はイエローカード
・SecondLife、IMVU、TDA、MMD、ゲームデータ、販売ライセンス無しの商品は禁止
・アップロードの販売禁止(購入者の代わりにアカウントにアップロードする行為)
パーツ目的でアバターを買う行為は基本的に禁止(後程触れます)
・ブランドロゴや名前を使うのは禁止(Nike、Adidas、Gucci等)
・アニメのキャラクターの手作りアバター等禁止(インスピレーションを受けた二次作品は可)
・CGTraderやArtstation、Sketchfab等の3Dアセットを利用した商品の掲載は基本的に禁止

イエローカード3枚で販売者権利剥奪。クールダウン1~2か月後に再度販売者権利を申請してください
販売者権利申請は個別に連絡してください

本当はもっと細かいですが、こちらのサーバーでは販売者がほぼ全員すでにある程度管理人に査定された状態で販売告知をするため、Gumroadよりも比較的に安心して商品を見ることが出来ます。

ここまで厳しいのはまだ少ないですが、大御所は基礎的な禁止事項は普及しつつあります。

②合法性の精査

先に書いておきますが、合法性の確認はかなり面倒くさいです。

まず、一番先に確認しなければいけないことは「Credit」です。例として以Gumroadで出品中の物の概要蘭に書いてあったCreditを見てみましょう。

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長い。

海外製アバターはクレジット表記がとにかく長い。まずはこれを確認しなくては「違法アバター」を誤って買うリスクが高くなってしまいます。

一番多く不正利用されがちなのは「Face/Head(顔)」。TDA式の不正利用者の場合、多くはTDA、または表記無しになっていることが多いです。

基本的にはクレジット表記に以下:
・元制作主の名前またはDiscordのID
・パーツの個別売りURL
(自作の場合は「私が◎、×、▽を作りました」)

この表記が無い場合、またはアバターに記載漏れのあるパーツがある場合は購入を見送りましょう。

③利用規約の違い

和製アバターに比べ、VN3等のライセンスが普及して無いため海外製アバターの利用規約は星の数程のバリエーションがありますが、「アバター」の根底の理解からくる大きな違いがあるのでそれを紹介させていただきます。

アバターに対しての認識

こちらは以前の記事でも書かせていただきましたが、パーツを取り替えたり着せ替えのできる和製のアバターは「ドール(球体関節人形)」のようなものです。体や顔を取り替え、パーツを自由に付け替えできる者がとても多く、改変しやすい作りになっているものがとても多いですよね。

それに比べ、海外製アバターはパーツを集め売り出し時に完成体として売り出される「出来上がったカスタムプラモ」のような物。アバター(完成体)を売る人はそのアバターを作り上げる際、パーツを作った人から商用ライセンスを買い取ってからアバターを作り、それを売る販売形態が多いので売るに当たって利用規約は元のパーツ制作者にある程度制限されることが多いです。

基本的な状態が和製アバターに置き換えると「●●専用衣装を素体と一緒に売ってる」と言うような状態なのでその際、アバターを買った人がアバターを解体してパーツ取りをしてしまえたなら素体を作っちゃった人が大損してしまいます。それが故に利用規約は和製アバターではあまり見ない文言が一つ目立ちます。

パーツ取り不可

海外製アバターにおいて一番よく目にする利用規約は「パーツ取り不可」と言った文言が含まれるもの。パーツ自体が欲しいのであれば元のパーツ("Scratch Asset")の制作者から直接買うように促されます。これは商用利用に限らず、個人利用にも当てはまるので海外製アバターに慣れていない人にとっては少々戸惑う利用規約になるかと思います。

パーツ取りとは簡単に言えばアバターの一部を抜き取り、別のアバターにくっつける行為のことです。例としてアクセサリーなどを別のアバターにくっつけた場合、立派な「パーツ取り」で利用規約上の違反となります。

アバターによっては元のアセットが売りに出されていない場合もあるので、欲しくてたまらない場合は製作者に直接お問い合わせしましょう。

改変は?

買ったアバターを自分のものにしたい!って思うのはごく普通のことです。海外製アバターはパーツ取りを禁止することは多くても、改変自体をNGとしている場合は少ないです(NGとしている場合も一応あります)。

基本的に禁止されているのはパーツを抜き取る行為で、付け加えたり消すこと自体はおおむねOKの場合が多いです。

利用規約早見表

結局一番安全なのは利用規約を読むことですが、英語が苦手な方もいると思いますのでこちらに早見表を書いておきますので参考にしていただけると幸いです。(注:パーツ購入の場合は内容が少々異なりますので参考にならない場合があります。パーツ購入に関しては需要があれば別の記事にします)

改変不可 - No Edits
パーツ取り禁止 - Do not take assets/parts
パーツ取り禁止 - Do not reuse assets/parts
パーツ取り禁止 - Use of assets/parts without obtaining/purchasing from original creators is prohibited
他者と共有禁止 - Do not share
他者と共有禁止 - Do not reupload
再販禁止 - Do not resell

幸い、英語の利用規約は短い事が多いので慣れればかなり楽に利用規約を読めるようになります。

最悪の場合はTwitterで私(@potatovrc)にDMまたはリプを送ってください!時間がある時に軽い訳を送ります。

④和製アバターとの違い

先の点でも言った通り、「出来上がったカスタムプラモ」のアバターはUnityに導入後そのままアップロードすると言う使い方を前提に作られているため、造りは多種多様で基本的には改変向きではありません。

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例として上記のPrefabを見ると、髪の毛はArmatureの中に隠れており、顔と体は直接融合されていたり、アクセサリーとかは服やBodyにくっついているのでいざ細かい改変をするとなるとかなり面倒くさいことになります。

物によっては細かく作られているものもあれば、服も全て一つのメッシュに融合されている場合もあるのでやはり改変がしたい場合はパーツを別々に購入し、自分で自らカスタマイズする方がやりやすいでしょう。

⑤まとめ

・探すならGumroad, Jinxxy, クリエイターDiscord鯖等
・Creditは必ず一度目を通して怪しかったら買わない
・パーツ目的で買うことは基本NG(最初からパーツだけを直接買うべし)
・利用規約を読もう!
・整頓された.unitypackageは基本的に期待しない事

さっと記事をまとめるとこんな感じになります。参考になれば幸いです!

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