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2024年3月14日 人生のターニングポイント

大学および大学院は工学系の科にいた。
そして今の仕事も多かれ少なかれ学生時代に学んだ内容が関連していることもあり、一応理系の道を進んでいる人生である。
しかし、ずっと理系の道を志望していたわけではない。

そもそも中学生までは国語や社会科が好きで、数学や理科についてはむしろ大きな苦手意識があったため、絶対に文系の道に進むだろうなと思い続けていた。

ではなぜ理系の道に進むことになったのか。
それは、高校1年の2学期の頃であった。
私が在籍していた高校では1年生の2学期の終わり頃に文系理系の進路志望を提出するのだが、その少し前にベネッセの実力テストを学年全員で受けていた。
テストの受験からしばらく経ち、その結果が返ってきた。
そうしたらなんと、数学のテストの順位が学年全体で上位1割にいたのである。
今思えばまぐれ以外の何物でもないのだが、しかし当時の私は純粋にその結果を喜んだと同時に、大きな思い込みをする。
「もしかしたら俺は理系でもやっていけるんじゃないか・・・?」と。
数学が苦手というのがかねてよりうっすらとコンプレックスとしてあったからこそ、なまじその数学で結果を出せてしまったことで理系でやりたい度合いは高まっていた。
あと、理系の方が就職先に困りにくいということをその時からなんとなく聞いていたこと、それから文系に進む人は周りを見てもウェーイ系の人が多いという印象があり、今よりも遥かにコミュニケーションに苦手意識のあった当時の私はその中でやっていける自信がなかったこともあり、理系の道に進むことにした。

そんなこんなで理系の道に進むわけだが、ではそれからどうなったかというと・・・数学についてはこの実力テストの結果を受けてアレルギーが消えたからなのか、その後も学校の定期テストでは比較的好成績を維持し続ける。
一方、物理とか化学なんかの理科系の科目の定期テストがてんでダメで、大学受験においてもこの理系科目が足を引っ張ることになり、大学受験生になった当初からは志望校のランクを落とすことになる。
「あぁ、やっぱり自分はバリバリ理系肌の人間ではないんだなぁ。。」ということを結局痛いほど自覚することになるのだが、それでもなんとか志望群の工学系の大学には合格する。

大学に入ってからは、大学受験でいうところの物理とか化学の内容の方が中心になるわけで、入学の当初は留年とかしないでやっていけるか不安な気持ちが大きかったが、ただ大学受験の勉強で無意識のうちに理科系科目の勉強の作法を身につけることができていたからなのか、そこまで単位を落とすことはなく、ストレートに卒業することができた。

大学卒業後は大学院に進学および修了し、新卒でメーカー系の会社に就職して6年ほど勤めた後に、紆余曲折あり現在の会社に移るといった感じである。

果たして理系の道に選んだことは正解だったのだろうか?
大学や大学院にいた頃は、定期テストで一定の点数を取るぐらいならともかく、講義で学ぶ工学系の学問は深く理解しようとするとその難しさに頭を悩ませ、研究も全然うまく進まなかったりで日々自分の実力や理数系センスのなさに自信をなくしたりしていたし、今の仕事も本当は自分には向いていないんじゃないか?と沈んだ気分になる時だって多々ある。
でも学んだ学問も完璧には理解できないなりに深い興味や関心を抱くものであったし、仕事も大きな達成感や喜びを感じる瞬間だってそれなりにある。
だから、今の道を選んだことが正解だったかは正直わからないが、少なくとも後悔はしていない。

一方で、今でもたまに考える。
「もし高校1年生の2学期の実力テストで、たまたま数学の点数で上位の成績を取ることがなかったら?」と。
間違いなく文系の道を志望していただろうし、それによって進む大学はもちろん、学ぶ学問、出会う人々、仕事(そもそも就職できていたのか?ということも含めて)、人生観・・・色々なものが今とは全く違うものになっていたはずだ。

だからもし今後、「人生のターニングポイントは?」と聞かれたら、間違いなく答えるだろう、「高校1年生の2学期」と。



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