勝手に体が動いたあの感覚

中学生時代の総体の記憶は自分の中で、最も色濃く残っているサッカーの記憶だと思う。入学直後からスタメンで試合に使ってもらっていたものの、直前でスタメンを奪われた一年生。めちゃくちゃしんどかったけど、勝ちたいという気持ちだけで体が動いた、全力で戦い抜いた二年生。緊張から思う様なプレーができない、下級生に助けられた、惜しくも優勝を逃した三年生。なぜだか、あのころの記憶が忘れられない。

それに比べて、大学サッカー入部後。体が勝手に動くような試合。本気で勝ちたいと思い全力で戦った試合の記憶がほとんどない。いや、要所要所であるものの、そうでない期間のほうが長い。ここ最近でも、しんどいという思いが先行して自分にブレーキをかけてしまっている。しんどいの基準が下がってしまっている。

なぜだろう。

一つは自分の立ち位置の変化。
中学生の頃は自分が一番うまいと思っていたし、実際うまいほうではあった。余計なことを気にせず、思うが儘にプレーできた。
大学では、自分に実力がないこと。人の目を気にする、自分のプレーに自信がない。攻撃面がうまくいかないから、楽しいよりもしんどいが先行してしまっている。

試合に出れていないとき、自分と同じくらいと思っている相手に負けたとき、悔しさから本気で守備も頑張るし、本気で取り組むことができる。でも、レギュラーになれたら、頑張ってもうまくいかなかったら次第にモチベーションが下がっていく。

自分ではかなわないと思う相手、自分よりうまいとわかる相手には、負けても悔しさがわいてこない。またともにプレーするとき委縮してしまう。

ランナーズハイのようなあの感覚をまた味わいたい。あと何回味わえるだろうか。

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