今日の学び

兵庫県 神戸市 三宮駅

神戸の街はややこしい。県庁所在地は神戸市。だからと言って神戸駅が一番栄えているわけではなく、三宮駅が神戸の中心地。さらに、兵庫駅という駅もすぐそばに存在する。どうしてこんな現象が起きているのか。

兵庫県の誕生

兵器の倉庫が由来の兵庫県。地名が生まれたのは飛鳥時代にさかのぼる。白村江の戦の後、唐からの侵略を恐れ都を近江大津宮した朝廷が貿易の拠点として今の兵庫を選んだ。その場所が平安時代に港として栄え、その後に1868年に地名がそのまま県名になった。

兵庫港と神戸港

その兵庫港の隣には神戸港が並列して存在していた。そして1874年、神戸港の近くに神戸駅が誕生する。これが、二つの港の勢力図を変える。鉄道、港が二つそろった神戸港は当然発展した。そしてそのまま神戸市に県庁がつくられ神戸市が1889年に県庁所在地となった。

神戸事件

1868年、神戸三宮神社前で備前藩兵が隊列を横切ったフランス人と銃撃に。これには欧米諸国も黙っておらず、明治政府初の外交問題となった。そんな事件を収めたのが後に兵庫県の一代目知事となる伊藤博文である。そして、この事件を機に全国に名が知られた三宮神社の名がそのまま駅名になった。

元町誕生

こうして再び居留地として三宮神社周辺は発展、西側には中華系の人々が集まり今の中華街が生まれ、さらに西側にはアメリカの人々が集まり、今のメリケンパークが生まれた。また、東側には暴れ川として有名だった生田川があったが、それも整備され流れを変えたために発展し、今の三ノ宮駅が生まれた。そして旧三宮駅は元々三宮があった街として元町駅と名付けられた。

こうして、地名が混在した複雑な兵庫県が誕生したのである。

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