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【漫画原作部門】『キズナの街角』第3話


第3話:静かなる危機

1. 衝撃の報告(1-3P)


市役所の会議室。緊急会議が開かれている。
山田(厳しい表情で)「みんな、大変なことが起きている」
ハヤト「何があったんですか?」
山田「先月、市内で5件の孤独死が確認された」
一同、息を呑む。
明日香「そんな...」
翼(拳を握りしめて)「くそっ...」
山田「それだけじゃない。認知症による徘徊事故も増えている」
ハヤト(真剣な表情で)「どうして今まで気づかなかったんだ...」
山田「観光客は増えたが、地域のつながりが薄れているんだ」
ハヤト(決意の表情で)「何とかしないと...」

2. 翼の弱音(4-5P)


会議後、廊下で話すハヤトと翼。
ハヤト「翼さん、大丈夫ですか?さっきから様子が...」
翼(ため息をつく)「実は...俺のばあちゃんも認知症なんだ」
ハヤト(驚いて)「えっ...」
翼「最近、症状が悪化して...家族で介護しているが、限界かもしれない」
ハヤト「そうだったんですか...」
翼(苦笑いで)「皮肉だよな。街の再生に尽力してるのに、身近な問題には手が回らない」
ハヤト(翼の肩に手を置いて)「翼さん...必ず何か方法を見つけます」

3. 現実との対峙(6-9P)


翌日。ハヤトが翼の祖母の家を訪問。
翼の祖母(80歳)「……あなたは?」
ハヤト「はじめまして。翼さんの同僚のハヤトです」
翼の祖母「……翼?誰のこと?」
翼(苦い表情で)「ばあちゃん、俺だよ。翼だよ」
翼の祖母(混乱した様子で黙り込む)「………」
ハヤト、胸が締め付けられる思いで見ている。
帰り道、翼と話すハヤト。
ハヤト「翼さん...大変な思いをしているんですね」
翼(力なく)「ああ...でも、これが現実なんだ」
ハヤト(拳を握りしめて)「絶対に、何かしないと...」

4. 困難な挑戦(10-12P)


市役所のオフィス。ハヤトが熱心に説明している。
ハヤト「高齢者見守りネットワークを作りましょう。そして、世代間交流プログラムも...」
山田(難しい表情で)「気持ちは分かる。だが、予算が...」
明日香「それに、人手も足りないわ」
翼「現実を見ろよ。そんな簡単にはいかないんだ」
ハヤト(必死に)「でも、このままじゃ...」
山田「分かった。小規模でいいから、やってみろ」
ハヤト(決意の表情で)「はい!必ず結果を出します!」

5. 予想外の壁(13-15P)


コミュニティセンター。ハヤトが高齢者に話しかけている。
ハヤト「ぜひ、プログラムに参加してください」
高齢者A(怪訝な表情で)「余計なお世話だよ」
高齢者B「若い人に迷惑はかけたくないねぇ」
ハヤト(困惑して)「そんな...でも...」
別の場所。若者たちに説明するハヤト。
ハヤト「高齢者の方々と交流することで...」
若者A「忙しいし...」
若者B「正直、面倒くさそう」
ハヤト(がっくりと肩を落とす)

6. 深まる孤独(16-18P)


夕暮れ時。公園のベンチに座り込むハヤト。
ハヤト(つぶやく)「どうすれば...」
突然、サクラが現れる。
サクラ「また悩んでるの?」
ハヤト「サクラさん...はい。今回ばかりは、本当に難しくて...」
サクラ(優しく)「でも、あなたなら必ず道を見つけるわ」
ハヤト「そんな...僕には無理です」
サクラ「本当に?あなたの周りをよく見てごらんなさい」
ハヤト「周り...?」
サクラ、静かに立ち去る。
ハヤト(考え込む)「周りか...」

7. 新たな視点(19-21P)


翌日。オフィスで考え込むハヤト。
突然、ハヤトが立ち上がる。
ハヤト「そうだ!」
明日香「どうしたの、ハヤトくん?」
ハヤト「みんな、ちょっと集まってください!」
山田、翼、明日香が集まる。
ハヤト「僕たちは、上から目線で考えすぎていたんです」
翼「どういうことだ?」
ハヤト「高齢者の方々も、若い人たちも、それぞれの思いがある。まずは、その声をしっかり聞くべきなんです」
明日香「それはそうだけど...」
山田「それでどうするんだ?」
ハヤト「みんなで手分けして、一軒一軒訪問しませんか?本音を聞きに」
翼(少し驚いた表情で)「そんな地道なこと...」
ハヤト「はい。地道だからこそ、見えてくるものがあるはずです」

8. 心の声(22-24P)


街中。ハヤトたちが家々を訪問している。
ハヤト(高齢者の家で)「困っていることは何ですか?」
高齢者C「実は...話し相手がいなくてね」
別の場所。明日香が若者に話を聞いている。
若者C「正直、高齢者の方々と接する機会がなくて...」
翼(自分の祖母の家で)「ばあちゃん、何がしたい?」
翼の祖母(少し笑顔で)「そうねぇ...昔みたいに、お茶会がしたいわ」
ハヤトたち、たくさんの声を聞いて回る。

9. 新たな絆(25-27P)


数日後。コミュニティセンターに多くの人が集まっている。
ハヤト「みなさん、来てくださってありがとうございます」
高齢者たち、若者たち、不安そうな表情。
ハヤト「今日は、お互いの思いを共有する日です。どんな小さなことでも構いません。話してみてください」
最初は静かだった会場が、徐々に会話で賑わい始める。
高齢者D「実は、パソコンを習いたいんだ」
若者D「えっ、僕教えられますよ!」
若者E「僕、将棋が好きで...」
高齢者E「おお、わしも昔プロ棋士をめざしたこともあってな!」
翼の祖母「お茶会がしたいわ」
若い女性「私、お茶を習ってるんです。一緒にしませんか?」
ハヤト、嬉しそうに見守る。

10. 小さな奇跡(28-30P)


数週間後。街のあちこちで世代間交流の様子が見られる。
公園では、高齢者が子供たちに昔遊びを教えている。
カフェでは、若者が高齢者にスマホの使い方を教えている。
コミュニティセンターでは、お茶会が開かれている。
翼の祖母(嬉しそうに)「ありがとうね、翼ちゃん」
翼(驚いて)「……ばあちゃん、俺のこと...」
翼の祖母「わかるわ。あなたのおかげで、毎日が楽しいの」
翼、感動で言葉を失う。

11. 新たな課題(31-33P)


市役所の会議室。報告会の様子。
山田「ハヤト、よくやった。孤独死はゼロ、徘徊事故も大幅に減った」
ハヤト(顔がゆるみながら)「いえいえ、みなさんのおかげです」
翼「認めるよ。お前には、人と人をつなぐ力がある」
明日香「本当にすごいわ、ハヤトくん」
突然、山田の携帯が鳴る。
山田「おい、大変だ!」
一同「どうしたんですか?」
山田「隣町で大規模な工場誘致の話が...このままじゃ、若者がどんどん流出するぞ」
ハヤト(驚いて)「えぇっ!?」
翼(目を細めつつハヤトをみやり)「……で、どうするんだ?」
ハヤト(歯を食いしばりながら)「……っ!分かりました!若者代表として、その問題、取り組んでみます!!」

12. 謎の深まり(34-36P)


夕暮れ時の公園。ハヤトが一人で座っている。
ハヤト(つぶやく)「次は雇用か...そういえば、サクラさんって...」
突然、後ろから声が。
サクラ「お疲れ様、ハヤト」
ハヤト(驚いて振り返る)「サクラさん!」
サクラ(微笑んで)「素晴らしかったわ。あなたは、人々の心をつなげた」
ハヤト「……それは、サクラさんのおかげです。それに...」
サクラ「何かあるの?」
ハヤト(真剣な表情で)「サクラさん、あなたは一体...」
サクラ、微笑んだまま静かに立ち去ろうとする。
ハヤト「待ってください!あなたは...」
サクラ、振り返って優しく微笑む。
サクラ「私は...この街そのものよ」
ハヤト「え...?」
サクラの姿が、夕日に溶けるように消えていく。
ハヤト、呆然と立ち尽くす。

ナレーション「ハヤトの挑戦は、新たな局面を迎えようとしていた。そして、サクラの正体という新たな謎が彼の前に立ちはだかる。彼の情熱は、これからどんな奇跡を起こすのか...」

「次回、『キズナの街角』第四話『未来への跳躍』。さらなる試練に続き、驚きの展開が――――!?」

第1話

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