大幅黒字転換 Movado Group(MOV) 最新決算2020/11/24
コロナ後の消費者の旺盛な消費需要に応え、業績も回復していくと考えられる企業を探していませんか?
Movado Group社は、自社及びLuxury Brandの時計を中心とした事業を展開しています。2020/11/24に決算発表がありましたので、会社概要を最新決算を踏まえながらご紹介します。
はじめに
アメリカの貯蓄率は、以下のようにコロナ後に大きく増加しています。コロナで先行きが見えなくなる中で、もともと貯蓄性向の低いアメリカの消費者でさえ、態度を変え歴史的な高い貯蓄傾向を示してきました。先行きが徐々にクリアになる中で貯蓄率は低下してきていますが、依然として高い状況です。
ワクチンができ、失業率も安定し、景気が回復してくると、この貯め込まれた貯蓄が消費に回ることが予想されます。その高まる消費需要を捉えて、更なる業績の回復につなげられる企業は、株価の上昇ポテンシャルが高いと想定されます。
もしかすると本日ご紹介するMovado groupはその可能性があるかもしれません。
年初来の株価はこちら
比較対象
赤:QQQ
紫:ARKK
黄色:QCLN
事業概要
設立:1881年
本社:米国 ニュージャージー州 パラマス
時価総額:$386M
1881年設立と歴史は古く、自社ブランドの時計の開発・製造・販売と他社ブランドの時計のライセンス事業を手掛けています。
自社ブランドの時計の売上は39%、ライセンス事業は47%を占めています。
他社へライセンス提供して作っている時計としては、Coachをはじめ、Hugo Boss, Tommy Hilfigerなどがあります。また今年の8月にはCalvin Clainとのライセンス契約を締結しています。
地域的には、アメリカ 45%, 欧州 32%と合計で77%を欧米地域で売り上げています。他のLuxury Brandと比較して、中国をはじめとしたアジアの比率がとても少ない印象です
近年は順調に売り上げ、利益を伸ばしてきていましたが、コロナで状況が一変、赤字に陥りました。
決算情報(2020/11/24)
直近の決算情報は以下になります。
売上:%169.9M (vs PY $205.6M, -17%)
GP % : 54% (vs PY 54%)
OP Expense % : 41% vs (PY 43%)
OP % : 14% (vs PY 4%)
Net income : $14.9M (vs PY $17.8M )
雑感
今回の決算のポイントとしては、コロナを受けて、4月期、7月期は営業赤字に陥りましたが、今Quarterで黒字に転換、持ち直してきました。GPは以前の水準に戻した状態、これ以上急に上がることは考えにくそうです。今回売り上げを前年同期比-17%まで戻したことと、構造改革でOperation Expenseを削減する努力を重ねた結果、Operation Expense %を41%まで低減しています。基本は、固定費削減で作り出している利益ではあるものの、営業利益率(OP%)は直近では最高の14%を記録しており、シャキッとした経営を行えるようになりました。
事業形態上、急にはGPの改善はそれほど見込めないと思われますので、今後は売り上げをどのように伸ばしていくかがポイントになりそうです。今回は自社及びパートナーのeCommerceの売上が159%伸びたということで、それが売上回復のベースとなっています。今後、回復が予想される消費需要をうまく取り込むことができれば、更なる利益の改善がみられていくと思われます。
以下の消費者動向調査によれば、今年の年末商戦は消費の二極化が予想されており、予想以上にLuxury brandの購買は進むのかもしれませんね。
また、中期的な成長としては、中国をはじめとしたアジアの売上比率が非常に低いことから、ここをテコ入れすることができればとても面白いと思います。
以上です。
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参照
投資家向けプレゼンテーション
https://movadogroupinc.gcs-web.com/static-files/a60efd6f-538a-4a42-ba8a-3eb849a463cc
10月期8K
https://movadogroupinc.gcs-web.com/static-files/b244af8c-dfe9-4b7b-83fe-cb0cde97320e
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