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動画・映像の設計図 その名も構成

構成と言われて、「ん?なんでしょ?」と思われた人も多いかと思う。
構成”はテレビ番組で主に使う言葉で、どういった内容の映像が
積み重なって作られていくのかを映像・動画を撮影する前に
伝えるツールである。
映画・ドラマでは”脚本”もしくは”台本”と呼ばれ、
テレビCMでは”絵コンテ”や”イメージコンテ”と呼ばれることも多い。
「なんだ、絵コンテなら知ってる!」「映画・ドラマの脚本なら知っている!」という声が聞こえそうである。
タイトルにも記したが、動画・映像の設計図になるものである。
ではなぜ構成が必要なのか?今日はそんな話をしてみたい。

”構成”が持つ機能

それは、事前にどんな映像・動画になるのかを確認する機能になる。
基本的に私たちのように仕事で映像制作をする場合、
費用を支払うお客さんがいる。そのお客さんたちに「
どんな内容が積み重なって、どんな映像になっていくのかを
説明する必要がある。

もちろん、構成がなくても撮影はできるが、事前にこういった内容になるということを知らせておくことで、後にトラブルになることを避けることが
できる可能性が高い。

想像してみてほしい。
家を買うことになって設計者や大工が自分達の好き勝手作り始めたら、
きっとあなたは怒り出すであろう。
「大金を支払って、こんな家作って!住むのはこっちなんだ!」と。
例えが、大袈裟だが似ている話ではないかと思う。

構成作りはディスカッションの場になるので、お客さんの希望を汲み取り、より良い提案をするための作業にもなる。

他にも機能が…

そして、実は対お客さんに説明するという機能の他にも、
製作に関わるスタッフ・キャストたちにも「どんな作品になるのか」という情報を伝える機能もになっている。カメラアングル、セリフやコメントはあるのか?昼なのか夜なのか?場所はどんな場所?撮影する場所が屋外なのか?屋内なのか?などなど。
それによって準備が大きく変わるのである。

さらに他の機能も

これは編集する際の機能である。
事前に作った構成をもとにして撮影を行う。
基本的に狙い通りに撮影を進めていくのだが、撮影は得手して思い通りに行かないことがある。天候、交通機関の乱れ、実際に考えていたこととのズレなど。そういった場合には臨機応変に対応していく必要があるのだが、撮影が終わったのちに撮影前の構成を見て一度整理をする機能を持っている。
「どこがどう変わったのか、補うために何をしたのか」を整理するための材料になる。

”構成”は”編集作業”

最後に構成を作るということは編集作業をしていることになる。
「なんで撮影に入る前に最後の行程を?」と思った人もいるかもしれないが、実は頭の中で編集をするというのが構成を作る作業と同じことをしているのである。もちろん、構成はMS Wordなどの文書作成アプリを使うし、
編集作業は映像編集ソフトを使うのだが、実は頭の中は同じと思って間違いないと考えている。よって編集ができる人は構成を作れるし、構成を作れる人は編集ができるのである。

最後に

構成を作るなんてめんどうと思っている人も多いかと思うが、
客観的に動画を見る上でも構成を作ることをお勧めしたい。
もちろん、人に伝える必要がある場合は絶対に作ったほうが良いとも思う。
自分がアウトプットした構成を1日・2日寝かせて冷静になり、もう一度読んで見ることで見えてくるものがあることが多いからである。
それを繰り返すことで、より客観的に見ることができるし、
伝わる内容になっていくように思う。
これから動画を作りたい、もっと人に良い提案をしたいという方は、
この「構成を作る」ということを磨いてみてはどうかと思っている。



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