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オヨギヲヤメルトシヌマグロ|甘味屋餡子

公演当日まで1週間を切り、稽古場では3作品+αでの通しの稽古が行われる。
作品間での転換や着替えは滞りなく行えるか、
会場の感染症対策に抵触してないか等確認事項は山積。
また何度か劇場にもおもむき、今回初めて行う配信用のカメラテストも行ってきた。

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通しを終えると必ず汗だくになり息を切らせている面々がいる。
「新入りサッカー部員のロングシュート」の出演者たちだ。
息を切らしている理由は上演順が最後だから終演後間もないからという訳でも
稽古とは言え舞台上のライトが熱かったからという訳ではない。
この作品は4人で1人の新人選手を巡るのサッカーの試合を物語る。

「新入りサッカー部員のロングシュート」あらすじ‐Instagram

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『Romio!』で主演を務めたソン
『Romio!』にも出演し、劇団のエースである和泉涼太
凛とした声とシャープな動きの佐藤奈都子
特攻的役割を担う甘味屋餡子

この4人で45分ハーフのサッカーの試合を描いていくのだ。
舞台上では試合を30分そこそこに圧縮してはいるが、
その分密度が濃く、常に動き回っている。
選手役のソン・涼太はもちろん、監督役のなつこもマネージャー役の餡子も
約30分間常に様々な局面や選手を表現するためにステージ上を動き回っている。

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3作品のオムニバス公演の中で、一番最後に動き出したのがこの作品だ。
4人の出演者のうち、ソンと涼太の2人は劇団Q+の配信公演も控えていた。
その収録も配信も無事終わり、合流となった。

千本桜ホール36周年記念 劇団NO.1決定戦「劇団EXPO'2020」オンライン参加公演
『Romio!-ロミ夫とジュリの物語』

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公演から公演と休むことなく動き続け、舞台上でも休むことなく動き続ける姿は
水族館の巨大水槽を泳ぎ回るマグロの群のように見える。
ふと、筆者の学生時代「マグロ」というあだ名の教師がいたことを思い出す。
体育教師でないのに毎朝校庭をランニングし、授業の合間は生徒指導等もあってか
常に学校中を動き回り、その止まることない姿から生徒たちに「マグロ」と呼ばれていた。
その頃はその教師を揶揄して呼んでいたが
きっと我々も芝居を止まることなくやり続けるという意味では同じようにマグロなのだろう。
そしてマグロが泳ぎを止めると死ぬように、我々も芝居を辞めると死ぬのかもしれない。

2020年12月8日

文:甘味屋 餡子 (役者)

絵:佐藤 奈都子 (役者)

【公演概要】

ケーキを海底のポストへ投函
第3回公演『サカナ!サカナ!』

2020/12/12(土)
14:30/18:30
2020/12/13(日)
14:30
(開演60分前受付開始、開演30分前開場)

場所:大森スポーツセンター小ホール(平和島駅徒歩6分)

価格:2,000円

ご予約はこちら

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