アメリカに来たポスドクがグリーンカードをとるまでの話1-プロローグ-

この記事は,私がアメリカ合衆国で永住権(グリーンカード)を取るまでに行ったことを忘備録として残すものです.もう一つのモチベーションとして,私自身他人のブログを大いに参考にしたため,同様に今後グリーンカードを申請する人たちの役に立ちたいという思いがあります.

なお,2022年7月に私たち家族のグリーンカード(I-485)が無事承認されました!決意してから取得まで丸々2年掛かりました.

留学を決めた理由

私は,元々日本国内の国立大学でポスドクとして勤務していました.昔からいつかアメリカで研究してみたいという夢があったので,かなりの借金(大学の同僚とサラ金)をして自費でアメリカ中西部の大学へ留学することになりました.海外学振や民間の留学助成は検討したのですが,年齢やPhD取ってからの年数の制限でほとんど応募すらできませんでした.一つ小さな助成金に応募しましたが,残念ながら落ちてしまい,全額自費となってしまいました...家族(妻と子)がいるので若干不安でしたが,基本的に楽観主義なのでいろんなことは忘れてアメリカへ出発しました.また,当時の日本のポスドクの任期もちょうど切れる頃かつ更新もしないと明言されていたので,タイミング的にはベストでした.さらに,日本の大学の研究環境の劣悪さと人間関係の複雑さにも嫌気が差していました.

ちなみに,アメリカに留学するにあたって,J-1という交流訪問者ビザを使い留学することになりました.このビザは比較的取りやすく,多くの日本人研究者が利用している制度です.ただし,基本的には日本に帰ることが前提になっています.

グリーンカードを取得するに至った理由

アメリカでの生活は,日本よりも研究環境が優れていることに加えて,同僚もみんないい人で,非常に居心地が良いと感じました.また,私の研究分野は日本だと非常にマイナーで需要もほとんどないのですが,アメリカだと高く評価されることに気が付きました.さらに,アメリカでの生活が一年を経過した頃,ボスから正式なスタッフとしての雇用のオファーがあり,即OKしました.給与も日本のポスドク時代に比べるとはるかに高額で,日本に戻る意味はあるのかと自問自答した末,当分アメリカで生活していこうという結論に至りました.そして,このままずっとアメリカで生活するならグリーンカードを取った方が良いなという極めて安直な考えで,全てが始まりました.

グリーンカード取得決意時点の私のスペック

I-140の申請を決意した時期:2020年7月頃

年齢:30代半ば

研究分野:工学

論文引用数(合計):190

その時点のビザ:J-1(自費なので二年ルール適用なしのはずでした)

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