アメリカに来たポスドクがグリーンカードをとるまでの話4-J1からH1bへのビザ変更(COS)

タイムラインのまとめ

説明は後述します.H1bに切り替えるまでに行った手続きのタイムラインを列挙します.ご覧の通り,時間がかかるので,H1bへの切り替えを検討している方は,時間に余裕を持つことをお勧めします.

一度目のAdvisory Opinion
August, 23 2020: Advisory Opinion Request
September, 12 2020: 212(e) Finding Letter

二度目のAdvisory Opinion
September, 29  2020: Advisory Opinion Request
November, 9 2020: 212(e) Finding Letter

J1 Waiver
March, 15 2021:J1 Waiver書類受理
October, 26 2021:NOS受理
November, 06 2021:Recommendation送付

H1b+H4bのCOS
December, 27 2021:H1b (Premium Processing), H4のCOS申請書類送付
January, 26 2022:H1b承認
March 29 2022:H4承認

J1からH1bへのビザ変更を検討

弁護士のアドバイスに従い,H1bへのビザ変更しようということに.以前も記載したと思いますが,H1bはDual Intentのビザなので,万が一グリーンカードが却下されても米国に滞在できるというメリットがあります.H1bのビザ変更(COS)の手続きは大学が行います.人事に言われた必要書類を全て提出し,後は手続き開始を待つだけの状態になりました.非常に順調でした.

ここからが長い道のりだった

人事が一言,「一応,two-year residency requirementを確認してくれ」とメールで尋ねてきました.これは,「Two-Year Home-Country Physical Presence Requiremen」とも言われるようで,国費で給与の全部または一部賄われたJ1研修生は,ビザの発行条件として,ビザの滞在期限が終わって自分の国に戻ったら最低でも2年間はアメリカのビザ(観光除く)が発行されないルールです.これは,米国で得た知見を自国で活用するという意図があり,このルールが適用される場合は,H1bやグリーンカードの申請ができません.ただ,自分の場合は渡航費・給与含め全てを自費で賄っており,日本・アメリカ両方の大学や奨学金団体からも一円もお金を受け取っていませんでした.そのため,当然DS-2019にもこのルール非適用の旨が記載されていました.しかしながら,念のため,Advisory Opinionを米国国務省にリクエストして,本当に非適用かどうかを確認しました.

タイムラインは以下の通りです.
August, 23 2020: Advisory Opinion Request
September, 12 2020: 212(e) Finding Letter

まさかのTwo-year residency requirement適用に

返事は,まさかの
「The exchange visitor is subject to this requirement」
でした.これは,お前は2年ルール適用だよという意味らしく,このままだとビザステータスの変更ができないということになりました.この結果を人事に報告したら,「全部自費だということを証明する書類を添付して,もう一回Advisory Opinionをリクエストしろ」でした.人事もこの判断は少し変だということを言っていたので,再リクエストで何とかなるんだろうなと何となく楽観的に思っていました.一応,弁護士にも事情を説明したところ,弁護士は「それは時間の無駄だからすぐにJ1の期間延長をした上で,J1 Waiverを申請しろ」という回答でした.弁護士曰く,2年ルールの適用で覆ったことを見たことがないし,2019年以降J1 Waiverのバックログが膨大になっているので,時間の節約のためにもAdvisory Opinionは諦めろということでした.ただ,人事は頑なにAdvisory Opinionを主張したので,Advisory Opinionを出すことにしました.回答は約1ヶ月ちょい

タイムラインは以下の通りです.
September, 29  2020: Advisory Opinion Request
November, 9 2020: 212(e) Finding Letter

しかしながら,返事は無常にも
「The exchange visitor is subject to this requirement」
でした.弁護士の言うことは完全に正しかったことがわかりました.そこで,まずは人事にJ1の起源を1年延長してくれとお願いしました.これはすぐに手続きが完了し,2,3ヶ月で延長手続きが完了して,新しいDS-2019が送付されました.

J1 Waiverのリクエス

J1 waiverは以下からオンラインと書類送付でリクエストします.

私の場合に必要だった書類は
1.オンラインで作成したForm DS-3035
2.Statement Of Reason
3.DS-2019
4.申請費用のチェック
5.No Objection Statement (これは同封していない)

2021年の3月に以上の書類を国務省へ送付しました.なぜ送付が遅くなったのかというと,人事に来年以降にスタッフとして雇用してもらう際の条件を詰めるのに時間がかかったためです.
次に,5のNOSを米国日本大使館にお願いして,米国国務省へ送付してもらう必要があります.NOSとは,「この人をが日本に帰ってこなくても文句は言わないよ」という念書です.日本大使館は非常に優秀なので,頼めば数週間で作成して送ってくれます.

そして,このNOS申請には以下の書類が必要でした.
1.申請書類
2.申請の理由を書いた紙
3.日本の元いた大学から,帰国しなくてもいいよという意見を書いた紙
4.現在のアメリカの所属先が作ったジョブレター・アポイントメントレター
5.DS-2019のコピー
6.パスポートのコピー
7.J1-waiverのcase numberが書かれた書類

3番は,一応日本の大学に無給のポストが残っていたので,そこに頼んで書いてもらいました.大変だったのが4です.大使館側に問い合わせたところ,NOSを申請するためには,大学から次のポストの内定を取る必要があるとのことでした.今のところ,口約束だったので,すぐに人事に連絡.その結果,次の週から早速採用手続きが開始されることになりました...全てが後手に回ってしまいました.
ものすごい勢いで,3回の面接と模擬授業が行われ,1ヶ月後の5月初めには無事採用が正式に決定し,アポイントメントレターが手に入りました!

J1 Waiverの長いProcessing Time

手に入ったアポイントメントレターと共にNOSを日本大使館に依頼し,5月末には無事NOSが国務省に送付された旨の連絡を受けました.J1 Waiverの平均的な所要時間(Processing Time)は3-4ヶ月なので,まあ10月中には連絡くるだろうなと思っていました.
しかしながら,当時はコロナの影響で人員が不足し,処理に時間がかかっていたため,通常より時間がかかりました.
タイムラインは以下の通りです.

March, 15 2021:J1 Waiver書類受理
October, 26 2021:NOS受理
November, 06 2021:Recommendation送付

5月末にはNOSは国務省に届いていたはずなのですが,受理されたのは10月でした...そして,11月に無事J1 Waiverが承認されました.
これで晴れて2年ルールから解放され,H1bへの変更,そしてi-485の申請へ進めることができるようになりました.

無事H1bへ

H1bへのビザステータス変更は非常にスムーズでした.人事に言われた書類を揃えて出して,12月末にUSCISへCOSの申請が提出され,Premium Processingを使っていたので,1月末には承認されました!残念ながら家族のビザ変更(J2->H4)に関してはPremium Processingがないため,ビザなし状態が当分続くことになりました(合法的に滞在できるが,再入国できない).追記:2022年3月末に無事H4も承認されました!

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