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ワタクシ流☆絵解き館その122 満ち潮は空の銀幕―画家たちがやって来る場所④            

南薫造 絶筆 油彩「瀬戸内」1949年頃 所在不明 遺作画集(モノクロ図版)より

南薫造が絶筆「瀬戸内」に描いた風景は、繰り返し、美術作品や観光産業の題材として選ばれ続けていることを探る、「画家たちがやって来る場所」シリーズの今回は4回目。

戸塚孝三郎 三原市の観光絵葉書(昭和30年代初頭の風景)

戸塚孝三郎。現・尾道市にて出生。明治40年―昭和40年。58歳没。教職を続けながら制作活動を行ない、主に日展、光風会展、広島県美術展などを中心に活躍した。光風会会員。画風は、下に掲げた参考作品のとうり、温かく明快。

戸塚孝三郎「ヨーロッパ風景」1964年 ふくやま美術館蔵
秦森康屯 「瀬戸内の春」 三原市所蔵

秦森康屯。大正12―平成6年。三原市出身。関西独立展で関西独立賞第1席、独立美術協会創立25周年記念賞受賞。静物画、風景画など数多くの作品を描いた。

アマチュア画家の美術展で見つけた絵 三原瀬戸を描いている。

上の図版で描かれているのは、南薫造「瀬戸内」と同じ島々の風景。前回紹介した海中に立つ鳥居辺りからの眺め。

集落再生プロジェクト 千住博 TIDE WATER ポスター

千住博。日本画家。1958年―。代表作はウォーターフォール(ヴェネツィア ビエンナーレ名誉賞受賞)。京都造形芸術大学学長も務めた。南薫造「瀬戸内」に描かれた島で、この集落再生プロジェクトは行われ、2015年、千住博がこの風景にインスピレーションを得て描いた絵の展示会が開催された。

千住博 TIDE WATER ポスター(部分)

絵ではないが、観光振興の映像としても選ばれている。背後の島が、南薫造「瀬戸内」に描かれている島々である。映像の一場面を紹介する。

広島県観光キャンペーン 「おしい!広島県 THE MOVIE2」より 2013年
映っているのは 河原さぶ、アンガールズ(田中卓志)、戸田菜穂各氏
広島県観光キャンペーン 「おしい!広島県 THE MOVIE2」より 2013年

                                                                  令和4年3月 瀬戸風 凪


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