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ワタクシ流☆絵解き館その115 青木繁が感化された、巨匠シャヴァンヌの芸術的息遣い。

論じられることの多い知見であるが、フランスの画家ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ(1824年 - 1898年)は、早くから日本に紹介されていて、青木繁は、その作品画像(画集など)からさまざまなインスピレーションを得ていると推察できる。
シャヴァンヌが青木に及ぼした影響を考察することは、筆者の力ではとうてい及びもつかないが、作品の比較によって、どこにその影響が表れているのか、いくつかの気づきを並べてみた。

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青木は、シャヴァンヌが徹底した写実主義の沼には足を踏み入れず、物語的雰囲気を、やや冷たくも見える静かな光の中に作っている、画家としての息遣いに魅せられたのではないだろうか。
努めてその技巧を習得しようとしたわけではないが、シャヴァンヌの絵の持つ清澄感、揺るがない構図のハーモニーを、神話や古代世界の情景を絵画化する営みの目標としていたように感じられる。
                       令和4年3月     瀬戸風   凪


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