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ワタクシ流☆絵解き館その107  さらに青木繁「黄泉比良坂(よもつひらさか)」の《何じゃ、こりゃあ?》を深掘り。

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青木繁  「黄泉比良坂」全図 1903年  東京藝術大学大学美術館蔵
紙に色鉛筆 水彩

以下掲げる図版はすべて、本画をトリミングしたものに、一部輪郭線とキャプションを挿入した。

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「古事記」のこの場面の記述では、イザナギが黄泉国から逃げる術として、クロミカヅラを投げるとエビカヅラノミになった。エビカヅラノミはすなわち葡萄だ。そしてまた、黄泉比良坂に至ったとき、桃の実を投げて、黄泉醜女の気を逸らした。

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この作品の絵解き記事は、珍しいことに多くの方が興味を示してくれました。続編も楽しめる記事になったでしょうか。
前回の記事で、逃げる伊邪那岐の絵を探ってみましたが、黄泉国とうつつの国を上下に位置付けた構図は見られず、縦長の構成にしたのは青木ならではの発想と言えるでしょう。
竹藪の中にいて、木漏れ日がひとところを照らしている光景に会うと、ふとこの絵が浮かびます。
                  令和4年1月  瀬戸風  凪






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