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ワタクシ流☆絵解き館その74 青木繁と画友たち、その絵はお互いを影響し合った。

青木繁には昵懇の仲だった画友が幾人かいた。中でも、房州布良の創作旅行を供にした坂本繁二郎と森田恒友は、その代表格だ。
3人の当時の絵を見ていると、発想や画面構成や雰囲気の作り方の面で、お互いが影響し合っているのが見えてくる。
先ずは坂本繁二郎から見てみよう。絵に添えた先、後のマークは、創作年の後先順を示す。

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これ以降は森田恒友。

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青木繁、坂本繁二郎、森田恒友の3人は、当時の画学生には必然であった写実・幻想双方にわたるヨーロッパ絵画などへの強い興味を持ち、それを技術習得と着想の起点にしたことは確かであるが、身近な友の描く作品もまた、お互いに創作の大きなヒントになり、いやでも若い精神に焼き付けられに違いない。いずれも素晴らしい仕事をした芸術家の互いの感化は、決して小さなものではなかっただろう。
青木の死後、画壇での名を大きくした坂本繁二郎、森田恒友の画業の真骨頂のときは、青木の最盛期とは重ならないが、その集いが、青木グループと称されていた彼らの、1903年前後数年間の創作にかける熱気が生み出した作品には、濃密な輝きが宿っていると思う。
                                                                          令和3年11月 瀬戸風 凪


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