2024/2/10 修士論文発表会

9:00

大学で上映機材のセッティングをする。2/10~2/12の三日間、東京藝大千住キャンパスで修士論文発表会を行う間、『北本ビタミン B』のループ上映を行うのだ。

14:00

芹沢高志さんをゲストにむかえ、修論の発表を行う。会場には研究室の先輩後輩をはじめ大学の友達、アート界隈の知り合い、アーキビストの先生などのほか、各地から〈北本ビタミン〉関係者が7名ほど来てくださった。
発表を終えた後は、20分ほどゲストを交えたディスカッションの時間。芹沢さんのコメントと、それに対する熊倉先生のレスポンスで、ほとんどの時間を使ってしまった。もうすこし会話に入って行けばよかったと反省。

15:00

発表後、会場の各所で「久しぶり~」など、再会の輪ができる。私はアーキビストの先生にお礼のあいさつに行く。彼は、私の発表のなかに「手放す」や「成仏する」などの言葉が出てきたことがとても良かったらしく、「安心して忘却するためにアーカイブするんですよ」と言ってくださった。
この言葉は海外の研究者の言葉らしい。すっと胸に入る。ああ、私がやってきたことはそういうことだったのか、と思うと同時に、もっとアーカイブス研究をしておけばよかったと後悔する。
「すべて記憶しておくこと、覚え続けることって、とても辛いことなんです。しかも10年も。関係資料がやぎさんに譲られていったのも、記憶を手放せる安心感があったからでは」
なるほど。他の人から私の活動を価値づけてもらうことは救われる。これから先、私が受け取った記憶たちを、次は私が手放せるように、アーカイブス(自立した)をつくっていかなきゃいけない。

会場を出て、芹沢さんと話す。修論のこと、近況のことなど。「映画と論文2本合わせた研究を僕は高く評価している」と言ってくださる。嬉しい。

芹沢さんを見送り、『北本ビタミン B』の上映ルームをチェックして、荷物をまとめる。

15:42

『北本ビタミン B』をみていた中庭のオーナーと、10年前に北本駅西口広場の改修工事〈顔プロジェクト〉の担当をしていたRさんを連れて、〈北本ビタミン〉メンバーの飲み会が行われている居酒屋へ。
私たちが到着するころにはすでに盛り上がっていた。

映画の感想や、論文の感想をもらう。
副市長とAさんが色々と論議を繰り広げる。Rさんのホームセンター計画や悩みなどを聞く。〈北本ビタミン〉が行われていたころ、タワーの近くに「ほろ酔い」という居酒屋があり、そこで今日集まったようなメンバーで喧々諤々、長い時間を過ごしていたそうだ。その時の感じだよ、と〈北本ビタミン〉関係者が口々にこぼす。
これが、タワーの、〈北本ビタミン〉の時の感じか。私はその中にいるんだ、と不思議な感覚を味わう。

19時前

大学で流している映像を止めるため、一時中座する。30分後再合流すると、みんなだいぶ出来上がっていた。Rさんが「俺が北本ビタミンCやるよ~」と言っている。「北本ビタミンC」やるよ宣言は、カフェ クウワの店長に続き、2人目だ。Cをやるよって言葉、面白い。何をもってCにするんだろう。Bを終わらせてくれるのだろうか。
〈北本ビタミン〉の立ち上げから終わりまで見届けた唯一の人物Sさんは控えめな感じ。インタビューでも「北本には行けない」と語ったこともあり、10年以上会っていない関係者も集まる今日が負担になるかと不安だったが、大人な対応をしてくれている。
色んな人と、いろんな話をしたがよく覚えていない。
私のpostアートセンター構想を話す、Rさんの企みを聞く、Aさんが突っ込む、Jさんが語る、Sさんが笑う。中庭のオーナーはとなりのテーブル客にちょっかいをかける。カオスだ。
研究を続けていてよかった。こんな光景がみられたのだから。

20時すぎ

一旦おひらきに。Dさんと中庭のオーナーが帰宅。二次会には熊倉先生が合流することになった。
熊倉先生は合流するや否や、二次会に参加する面々をみて「最大の功績~!」と言いながら私の肩を叩く。確かに。
二次会の居酒屋では、熊倉先生を交えて〈北本ビタミン〉の関係者が色々話していた。何を話したかはよく覚えていない。
北本市の副市長になったJさんが、「論文発表会って卒業式みたいなもんかと思ったよ。親御さんとかも来るのかと思ったし、一応北本市背負ってるからスーツで来たんだよ」と言っていたのが面白かったことは覚えている。

他には、熊倉先生が北本メンバーに「屋宜がお世話になって~」という話をしていたり、Aさんに「今の活動が北本ビタミンの延長と言えるようになったのはなぜ」みたいな質問をしていたような気がする。

三次会は私と熊倉先生を含めた四人。長い夜だった。
私の進路について話す。東京で就職するか、北本で活動を続けるか。熊倉先生からは、北本で続けるのはいいけどTさん(キタミン・ラボ舎元メンバー、現在は音まち千住の縁のディレクター)は頼るなとくぎを刺される。ずるい。

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