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2023/4/21 Jさんの話

13:30 北本着

喫茶ケルンに寄っておはぎを買う。

14:00 北本市役所へ

上映会の会場が大学の教授からもOKが出たので、その報告と先週のBBQのお礼をしにシティプロモーション課に伺う。ついでにはみ出し丸の写真をまだデスクに飾っているという、当時「北本ビタミン」の担当職員だったJさんにインタビューできるか聞いてみる。ちょうどJさんがいらっしゃるタイミングだったので、その場で紹介していただくことに。
調査協力依頼書をJさんに渡し、自己紹介と私がやっていることについて簡単に説明する。「部下たちから話は聞いているよ。協力できることはするよ」と快く答えてくださる。Jさんは今も北本市役所に勤める公務員なのだが、快活なおじさんで威勢がよく(少し口が悪く)、良い意味で公務員っぽくない。どちらかというと漁師とか、荒波が背景に似合いそうな感じの人だった。「写真みせてやるよ」と言い、デスクに飾っていた写真を持ってきてくださる。写真立てに入るくらいのL版サイズの写真かなと思っていたら、A3サイズの大きな写真が出てきて驚いた。「はみ出し探検隊」出航日の、海を走るはみ出し丸の写真だった。
「俺はこの日、はみ出し丸の隣を伴走する船に乗ってたんだよ。だから一緒に無人島にもいったし、カレーも作ったし、釣りもした」と、写真を眺めながら語りが始まる。2011年頃から配属が変わり「北本ビタミン」の担当になったこと、船の制作場だった北本団地の自治会からクレームが入ったことで船を作っていることを初めて知ったこと、プロデューサー陣と言い合ったこと、キタミン・ラボ舎のメンバーと飲みにいったこと、語った思い出に引きずられて、次から次へと記憶が出てくる。当時一緒に「北本ビタミン」の担当をしていたというKさんも連れてきてくださった。
「うわー、懐かしいね」と言いながら二人であれやこれやと話が始まる。一番印象に残っているのは「はみ出し探検隊」のようだった。子供たちと一緒に船を作って無人島に行く(しかも震災直後の2011年夏に)という無謀な計画を、議会や上司に説明するのに四苦八苦したこと、深夜2時に団地の広場で制作していたはみ出し丸をクレーンで吊り、トレーラーに移したこと、海に浮かぶはみ出し丸をみて「本当に浮かんだ!」と感激したことなど、記憶があふれて止まらない。
結局その場で1時間ほど話を聞いてしまった。次はきちんと時間をとって、録音録画をさせてもらいながらインタビューをさせてもらうお願いをした。お二人とも笑って「いいよ、役所は説明責任があるからね」と言ってくださった。
先週大学のゼミ内で研究発表したのだが、そこで私のやってるプロジェクト「アートプロジェクトの墓をつくること」なのかもしれないという話になった。でもJさんKさんみたいに私が尋ねることで記憶を手繰り寄せる人たちがいるのを目の当たりにすると、どうも私自身がアートプロジェクトの墓的なアイコンになっているのかもしれないなと思う。

15:30 post でごはん

遅いお昼を食べ、作業をする。「はみ出し探検隊」の記録写真を見ながら、Jさんの話をリフレインさせてみたり。議会や上司に説明するのは大変だったが、でもやっぱり「心の中では行きたいと思ってたよね、無人島」と、無邪気に笑うJさんの顔が浮かぶ。面白い人だなあと思う。
公金を使うからにはプロジェクト確認したり、厳しく指摘したりすることもあったそうだ。でもわからないながらも「北本ビタミン」に向き合ってくれていた人が役所にもいたんだなと思うとなんだか嬉しい。キタミン・ラボ舎メンバーだった方が「むっちゃ厳しい人だったけど、Jさんと一緒にプロジェクトやるのは面白かった」と言う理由がわかった気がした。

18:00 買い出し

唯野が団地に住む子とBBQをする約束をしていたので、その買い出しに行く。唯野もすっかり北本になじんだなあと思う。先週は私がいなくても1人で post に泊り、中庭のオーナー夫妻と晩酌していたらしいし、しっかり可愛がられていて面白い。

19:30 BBQ

3人でBBQ開始。途中、てとで作業していたクリエイターさんも混じる。てとのメンバーとこういう時間をもつのは初めてかもしれない。てとのみなさんは仕事だけでなくそれぞれ家庭をもっていて子供もいるのでなかなか時間がとれないそうだ。また機会があればこういうゆっくりした時間をとれたらいいなと思う。

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