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2022/12/10 まちびらきリサーチツアー&土器づくり

8:40 北本着

駅前のカフェOBで一服。

9:20 北本市役所集合

きたもとまちびらきプロジェクトのリサーチ大会に参加する。まちびらきプロジェクトとは、北本市が主催し、合同会社「暮らしの編集室」が企画運営を担う企画で、北本市に住んでいる/通っている人たちから参加者を募り、北本で気になっている場所やコト、北本で自分がやっている活動などをシェアしつつ、まちの魅力に目を凝らしてみるというプロジェクトだ。参加者は学生から定年退職した方まで、北本で生まれ育った人もいれば最近北本に越してきた人もおり幅広い。
今日は「自然と休日」というテーマのもと、自然観察公園をはじめ近くの自然や生き物、特徴的な景観を巡るツアーを開催することになった。自然観察公園は駅から少し離れているため、乗り合いで車に乗せてもらう。参加者数名と一緒に目的地へ向かった。

9:35 自然観察公園着

現地集合の参加者と落ち合う。すでに3名ほどあつまっており、そのあと私たちを含め5名、追って今日のナビゲーターの1人であるFくん(小学生の男の子)と、Dさん親子も参加し総勢11名ほどでツアーを開始した。
メインナビゲーターは北本市長公室のGさん。物腰が柔らかく学者のような雰囲気が漂う白髪の高齢男性だ。はじめ自己紹介が特になかったので、生き物や北本の地形にやたら詳しいGさんのことを、私は自然観察公園のスタッフさんだと思い込んでいた。あとから市役所の人だと聞いて驚いた。
Gさんが作ってくださった資料を片手にバードウォッチングをすることに。鳥の声に耳を澄ませながら園内を歩く。私にはカラスの声くらいしか聴き分けられないが、Gさんは「今のはサンコウチョウの声ですね、あ、セキレイも鳴きましたね~」と声だけで鳥を判別していく。一方鳥の観察が大好きなFくんは、自前の立派な望遠レンズ付きカメラを構え、動くものに瞬時に反応し次々とシャッターを切る。「ジョウビタキが撮れました」と報告してくれたと思えばすぐ別の鳥にフォーカスを合わせている…。本当に反応速度がえげつない。

自然観察公園でのツアー

11:00 緑のトラスト保全地、高尾宮岡の景観地へ

まちびらきリサーチツアーの2か所目は、トラスト保全地になっている宮岡の谷津。緑のトラスト保全地とは、埼玉県に設置されている「さいたま緑のトラスト基金」と「さいたま緑のトラスト協会」が母体となり、県内の自然や歴史的環境を保全するために進められている「さいたま緑のトラスト運動」で指定された保全地区のことを指す。北本でトラスト地に指定されている宮岡は典型的な「谷津」とよばれる地形で、台地が侵食されて形成された湿地の谷間と両サイドにゆるやかな斜面が広がっている。また宮岡の谷津には湧水が現在も残っており、小川が流れるのどかな場所だ。昔はこの湿地をいかして稲作が行われていたそうだ。
Gさんの解説を聞きながらトラスト地のまわりに位置する神社、地蔵、記念碑などを巡る。どういう場所、地形かといった概要だけでなく、その場所に神社ができた成り行きや、語り継がれている伝説などもじっくり話してくださる。熱をもって語られる話は聞き手の想像力を刺激し、脳内でいきいきと映像化される。さながらVRツアーのようだ。Gさんが語れば、気にも留めないような風景が明治、戦国時代へと遡る。こんなにも文化を愛する人が北本市役所にいることに驚きと喜びを感じた。
12時をすぎたころにツアーは解散。よどみなく語られる情報量にすっかりくたくたになった。

13:00 土器づくり

Dさんの車で送ってもらい、Eさんの作業場へ。Eさん、唯野と3人で土器をつくる会を開く。
今日は市内の谷津から粘土を採取するところからはじめることに。山道の途中、Eさんが動物観察のために仕掛けているトレイルカメラを見せてもらう。山の左右、上下に伸びる獣道が交差するポイントに仕掛けているそうだ。何の目印もないと思っていた山道だが、言われてみれば落ち葉がなく土がむき出しになっている細い道が見えてきた。
作業場へもどり粘土をこねる。土に混ざっている葉や小石を取り除き、滑らかな粘土に仕上げる。思っていたより柔らかく、うねうねと手にまとわりつく土だ。
土がきれいになったら成型作業にうつる。器をつくってみたり、チベット仏教の供物「トルマ」をつくってみたり、様々な形に変形させる。土が柔らかいせいもあり、細かい作業は難しい。時間が経つと重力で押し潰され変形してしまったり、粘土が手にくっついてうまく扱えなかったりと、なかなか思い通りにいかず苦戦する。
一方で土器づくり3回目のEさんはゆっくり時間をかけ、1つの土偶を作る。流石の手練れ、細かい模様も時間をかけて丁寧に仕上げ、力作が出来上がった。粘土を触っているとあっという間に時間が経ち、気づけば日が暮れていた。

土器たち(やぎ作)

18:40 夜ご飯

駅前でEさん唯野と3人で夜ご飯を食べることに。朝から情報量が多かった1日。すっかり疲れてしまって口数も少ない。

20:10 東京へ

帰りの電車内で、「北本ビタミン」時に事務局メンバーとして働いていた方から連絡が来る。今春公務員になり初のボーナスでちょっと贅沢な夕食を食べたそうだ。私は北本で土器を作っていました、と返信する。
「幸せってなんだっけ?っていうのを考えちゃいますね。北本いいなー」と返ってきた。


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