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【告知】10月の「戦争」:沖縄・広島・立川を横断して(10/10)

今回は、1945年8月15日に終わったとされる「戦争」を、沖縄・広島・立川(砂川)の体験や記憶から考えていきます。10月に着目することで見えてくる世界とは? 現在進行形の「戦争」についても議論します。

ぽすけん企画 第13弾 オンライントークイベント
10月の「戦争」:沖縄・広島・立川を横断して
出演者:田仲康博×植松青児×高原太一×竹崎一真(司会)
日時:2020年10月10日(土)18:00~20:00
場所:zoom(参加費500円/Peatixにて予約受付中!

【トークテーマ】
 ポスト研究会第13弾は、「10月の『戦争』:沖縄・広島・立川を横断して」というタイトルで、一般に1945年8月15日に終わったとされる「戦争」を沖縄・広島・立川(砂川)の経験や記憶から捉え直していきます。
 ゲストにお呼びするのは、元国際基督教大学教授/現沖縄大学非常勤講師で、『風景の裂け目 沖縄、占領の今』(2010)の著者である田仲康博さんと、編集者・アクティビストで、雑誌「週刊金曜日」にて「ノーモア・ヒロシマのこれから」特集(2020年7月31日号)を企画/執筆した植松青児さん、東京外国語大学大学院生で、「砂川闘争65周年記念集会」事務局長の高原太一(ぽすけんメンバー)です。司会は、学習院大学等非常勤講師の竹崎一真(ぽすけんメンバー)が務めます。

 今年は戦後75年にあたり、体験者がきわめて乏しくなる状況のなか、例年8月に組まれる戦争特集/特番も、これまでとは異なる角度からアプローチしていくものが目立ちました。そこで改めて光が当てられたのが「ものを言わぬ証言者」としての戦争遺跡です。しかし、モノ自体が語らないとすれば、より一層そこにいかなる文脈や物語をつけて語るのか/それを眺めるのかが、つまりは語る側/見る側の認識が課題となります。そのとき、「戦争」は1945年8月15日で終わった、で十分でしょうか。地域や固有名をもつ人びとの経験/記憶を挟み込むことで、もう一度、その「原点」から問い直したいと考えます。

 議論は、歴史家の屋嘉比收がかつて「沖縄では、『戦後への問い』は過去に対する問いではなく、「沖縄の現在」に対する問いと直結している」と看破したように、2020年の<いま・ここ>の問題や状況(icuの本館建て替えをめぐる議論や映画「この世界の片隅に」が抱える可能性と限界、立川駅前の再開発がもたらす効果等)にも繋げていく予定です。
 ぜひ、いまなお続く「10月の『戦争』」について、10月10日の18時から一緒に考えませんか?

【出演者プロフィール】

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田仲康博(たなか・やすひろ)
元国際基督教大学教授。現在は職業不詳の社会学博士。主たる研究領域は近代史、メディア・文化理論など。ここ数年は風景・記憶・まなざしをキーワードに沖縄戦後史を読み解く新たな方法を模索中。「言葉の瓦礫」(辺見庸)が散乱する世界に生きる今こそ、言葉・表現・実践にこだわってみたい。著書に『風景の裂け目ー沖縄、占領の今』、『占領者のまなざしー沖縄/日本/米国の戦後』、『時代を聞く』(共編著)、『空間管理社会』(共著)など。

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植松青児(うえまつ・せいじ)
編集者、アクティビスト。週刊「金曜日」編集部所属。1年半前は百貨店の商品管理、その前は病院清掃や印刷労働など。祖父(母の父)は広島で入市被爆しその後死亡、母は呉空襲で被災し戦後は広島からのディアスポラとして京都・東京に移り住み、その子として生まれる。「この世界の片隅に」(漫画・映画)のカルチュラル・スタディーズ的分析を「金曜日」で発表。同誌20年7月31日号では「ノーモア・ヒロシマのこれから」特集を企画・執筆。

TAKAHARAのコピー

高原太一(たかはら・たいち)
東京外国語大学博士後期課程在籍。専門は砂川闘争を中心とする日本近現代史。基地やダム、高度経済成長期の開発によって「先祖伝来の土地」や生業を失った人びとの歴史を掘っている。「自粛」期間にジモトを歩いた記録を「ぽすけん」Noteで連載(「ちいたら散歩 コロナ自粛下のジモトを歩く」)。論文に「『砂川問題』の同時代史―歴史教育家、高橋磌一の経験を中心に」(東京外国語大学海外事情研究所, Quadrante, No.21, 2019)。

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竹崎一真(たけざき・かずま)
1989年兵庫県生まれ。学習院大学、東京理科大学等非常勤講師。筑波大学大学院人間総合科学研究科体育科学専攻単位取得退学。専門は、スポーツ社会学、身体とジェンダーのカルチュラルス・タディーズ。論文に「身体とジェンダーの系譜学的思考:J・バトラーをめぐって」(『現代スポーツ評論』、創文企画、2019年)「戦後日本における男性身体観の形成と揺らぎ::男性美(ボディビル)文化の形成過程に着目して」(『体育学研究』、2020年)「戦後日本における女性身体美文化の系譜学的研究:"触発する身体" としての「八頭身」および「美容体操」の登場に着目して」(『体育学研究』、2020年)など。

記事自体は無料公開ですが、もしサポートがあった場合は今後の研究活動にぜひ役立てさせていただきます。