見出し画像

【告知】「スポーツをクィアする/スポーツはクィアである」(5/15)

今回のぽすけんは、『<体育会系女子>のポリティクス:身体・ジェンダー・セクシュアリティ』を書かれた井谷聡子さんをお迎えして、クィア理論を手掛かりにスポーツのこれまでとこれからについて議論します。

ぽすけん企画第17弾(ぽすけん生誕祭)
井谷聡子著『<体育会系女子>のポリティクス』(関西大学出版部、2021)刊行記念トークイベント
「スポーツをクィアする/スポーツはクィアである」
出演者:井谷聡子×山本敦久×竹﨑一真(司会)
日時:2021年5月15日(土)19:00〜21:00
場所:Zoom配信(視聴費:一般500円、大学生以下無料)
Peatixより予約受付中

【トークテーマ】
スポーツほど性の統治に力を注ぐ文化空間はない。スポーツは同性愛嫌悪やトランス嫌悪に塗れており、「より速く、より高く、より強く」というオリンピック精神は明確な男女二元制の下でしか達成できないようだ。これまでのスポーツとジェンダー研究の領域では、こうした権力構造からスポーツをクィアすることが求められてきた。しかしその一方で、スポーツ実践の空間は、ジェンダー・クィアな人々にとってそもそも拓かれた場となる可能性をもつということも重要な視点である。井谷氏が<体育会系女子>と位置付けるアスリートたちの中には、シスジェンダー主義や異性愛主義、さらにはトランスジェンダーに対する規範的な言説にも与することなく、言説と言説の間を漂い、年齢やスポーツの技術の変化とともに異なる形で社会との関係性を交渉する「クィア」な人々もいる。
スポーツがクィアな可能性を閉ざしつつ、また同時に拓いていく。こうした両義性はなぜ生まれるのか。スポーツがより人の主体性、身体とそのパフォーマンスの認識枠組みをクィアな可能性に解放していくにはどのようなスポーツや体育の実践が望まれるのだろうか。今回のトークでは井谷氏の新著の視点を枕に、クィアなアスリートを不可視化させるスポーツのネクロポリティクス(死の政治)の側面を議論すると同時に、そうしたスポーツのあり様を瓦解させる抵抗的ポリティクスを内包するスポーツの可能性について議論していく。

【出演者プロフィール】

画像1

井谷 聡子(いたに・さとこ)
 関西大学文学部准教授。トロント大学オンタリオ教育研究所・博士(Ph.d)。専門はスポーツとジェンダー・セクシュアリティ研究。著書に『〈体育会系女子〉のポリティクス―身体・ジェンダー・セクシュアリティ』関西大学出版(2021)、「Decolonize This!―オリンピックと植民地主義」『現代のバベルの塔』新教出版(2020)、ヘレン・ジェファーソン・レンスキー『オリンピックという名の虚構』(監訳)など

画像2

山本敦久(やまもと・あつひさ)
成城大学社会イノベーション学部教員。専門は、スポーツ社会学、カルチュラル・スタディーズ、身体文化論。著書に、『ポスト・スポーツの時代』(岩波書店、2020)、『反東京オリンピック宣言』(小笠原博毅との共編、航思社、2016年)、『やっぱりいらない東京オリンピック』(小笠原博毅との共著、岩波ブックレット、2019年)、『出来事から学ぶカルチュラル・スタディーズ』(田中東子、安藤丈将との共編、2017年、ナカニシヤ出版)など。

画像3

竹﨑一真(たけざき・かずま)
成城大学グローカル研究センターPD研究員。専門は、スポーツ社会学、身体とジェンダーのカルチュラル・スタディーズ。論文に「身体とジェンダーの系譜学的思考:J・バトラーをめぐって」(『現代スポーツ評論』、創文企画、2019年)「戦後日本における男性身体観の形成と揺らぎ::男性美(ボディビル)文化の形成過程に着目して」(『体育学研究』、2020年)「戦後日本における女性身体美文化の系譜学的研究:"触発する身体" としての「八頭身」および「美容体操」の登場に着目して」(『体育学研究』、2020年)など。

記事自体は無料公開ですが、もしサポートがあった場合は今後の研究活動にぜひ役立てさせていただきます。