SNSと自己愛・自己肯定感との関連性①

こんにちは。明治大学情報コミュニケーション学部石川ゼミです。

今回は私たちの研究内容と動機、そして仮説についてお話しようと思います。アンケートにご協力いただいたみなさん、ありがとうございます!!

私たちのグループでは、「SNSと自己愛・自己肯定感との関連性」について研究しています。自己肯定感についての研究では、家庭環境などの要因で左右されることが実証されています。しかし、現代社会ではSNSを使用する時間が多く、若者は特にSNSに気持ちが左右されやすいのではないかと考えました。そこでSNSと自己肯定感に関する先行研究があまり見つからなかったため、私たちは調査することにしました。また、さらに調べていくうちに、自己肯定感のほかに自己愛というものがあると知り、どちらがどのように関係しているのか調査することにしました。

・ 自己愛
「人間の自己愛は、自分だけはがんにならないとか、自分についてだけは何か奇跡が起こって命が助かるとか、自分だけは特別だという心理として働いています」
小此木啓吾「自己愛人間」ちくま学芸文庫、1992 より
・ 自己肯定感
「『自尊感情』の内容を検討すると、自己イメージにおける肯定的な面として、できるという感覚、有能感、自信、前向き、積極的、信頼感、幸せな気持ちや自分を大切に思う気持ちなどがある。一方、否定的な側面には、できないという無能感、無力感、劣等感、後ろ向き、消極的、不安感、不幸でつまらない気持ちなどがあげられる。」
また、本書では、自尊感情は4因子に分けられると述べており、その中で、今回の研究では、自己肯定感(自分に自信を持って決断し、行動できる自己肯定的な人物)に重きをおく。
荒木紀幸、「教育心理学の最先端―自尊感情の育成と学校生活の充実―」、あいり出版、2007 より

スクリーンショット (1)

イメージとしてはこんな感じです。自己愛は他人と比較して感じる心情、自己肯定感は他人は関係なく自分の気持ちの持ち方という感じです。

自己肯定感と自己愛の違いを踏まえて、私たちはこんな仮説を立てました。

「SNS上で称賛される経験のほうが現実での経験よりも自己愛傾向が高まる」

自己愛は他者との比較により獲得される自己容認です。自分自身で自分のことを肯定することのできる自己肯定感よりも、不特定多数に向けて発信することや離れている友人などからもリアクションをもらうことのできるSNSにおいては、自己愛傾向が高まるのではないかと考えました。

それを調べるための研究方法は、次回の記事で詳しく説明していきます。

ここまで読んでいただきありがとうございました!