日本には企業が買う再エネがない
アップルやグーグルがデータセンターの電力をすべて再エネにしたなどの報道をよく聞くようになりました。
海外ではSDGsの対応のため、戦略的に再エネの調達をしているようです。
日本企業はどうでしょうか。あまりそのような戦略を聞きませんが、再エネ100%を目指すなどの目標は聞くことはあります。
しかし、問題がありそうです。
そもそも、発電された再エネ電力の量が圧倒的に少ないのです。
ここでいくつかの問題が出てくる。まずは、再エネの量だ。日本の太陽光発電6,700万kW、風力400万kWのうちで、どれだけをデータセンターのみに使うことが許されるのか。
日本のメガソーラーでは100MW以上の連系出力(AC)を持つものは3サイトしかない。前述のGoogleのチリのハイパースケールデータセンターで80MW。圧倒的に再エネの量が不足している。
GAFAの日本の電力調達担当は頭を抱えているだろう。
日本データセンター協会によると、事業用データセンター(さくらインターネットなどデータセンター事業をおこなっているもの)、メガクラウドのデータセンター(GAFA)のほかにも、メガバンク、航空、鉄道、大企業の自社構築のデータセンターがあり、メガクラウドを除いても日本のデータセンターには100万kWの電力が必要だという。
「データセンターのような大規模調達に応じてくれる事業者は今のところ皆無。メガワットの契約をしてくれる事業者はおらず、データセンターのオンサイト太陽光でも賄えるのは0.1%程度。このままでは国際競争力が低下する」、と日本データセンター協会の増永直大事務局長は危惧する。
GAFA主導でデータセンターの脱炭素が進むと思われますが、(資金があっても)そもそも再エネがないという問題にぶつかりそうです。
また、データセンター用の再エネの量だけでも不足していたら、企業が全体的に再エネを調達することはできないでしょう。
再エネの導入拡大が急がれます。