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藤浪を笑う人たちへ

藤浪の覚醒?

最初に

藤浪についてのnoteを1度は書いてみようと思ったものの書けてなかったので成績が良化したこのタイミングで自分の時間も取れたので書いていきたいと思います。今シーズンで見ると、藤浪の防御率は9.35と決して褒められた数字ではありません。しかし、リリーフ転向、そしてフォームに変更を加えた5月27日以降は、防御率3.30と脅威的な改善を見せています。参考ではありますが各期間で区切ってPercntile Rankingっぽくしてみました。これを見ても改善は明らかです。
以下藤浪の成績良化の要因を自分なりに探ってみたました。

リリーフ転向後からフォーム変更前までの成績
フォーム変更〜7月8日までの成績

①制球の改善

コントロールが悪いということでネタにされがちな藤浪ですが、フォーム変更後の制球の改善は著しいです。上図にもありますが四球率はフォーム変更前は下位2 %の16.9 %でしたが、フォーム変更後は平均を少し下回る程度の9.1 %にまで下がりました。これは投球マップで見ても一目瞭然です。

リリーフ転向〜フォーム変更前
フォーム変更後〜7月8日まで

この図を見るとフォーム変更後はゾーンの低めに球を集中できていることがわかります。現在の藤浪はノーコン投手ではないのです。

②速球の球速上昇

なんと言っても藤浪の持ち味は速球のスピードです。フォーム変更後の平均急速は99.4マイルとこの期間だけ見るとあのアロルディス・チャップマンと同率でMLB 2位です。

今季の球速ランキング(フォーム変更後の藤浪は99.4マイル

持ち前の球速をさらに磨いた事が藤浪の成績向上の大きな要因なのは間違い無いです。

③打球角度の管理

藤浪は被打球の速度こそMLBでも下の部類に入りますが、打球の期待値系の指標は総じて悪くないです。1番最初にあるPercebtile Rankingを見てもらえればわかりますが、期待値系の指標はフォーム変更後はMLB上位30 %に位置します。この期待値系の指標が良い要因として打球角度の管理がうまくいっている事が挙げられます。藤浪のBarrel %(打率5割、長打率1.500を超える打球速度と角度の組み合わせ)はシーズントータルで見てもMLB上位33 %に位置します。速い打球を打たれられながらも抑えられているのは、ヒットや長打になりにくい角度に打たせていることが理由だと考えられます。

形になってきたMLB挑戦

打たれ続けた2ヶ月

今は好調の藤浪ですが前半戦は4、5月の防御率が13.00、10.50とこれでもかというほど打たれました。メディアからの砲火も凄まじく、海外の藤浪に批判的なコメントを探してきては見出しにしたり、予定通りの降板をノックアウトと書いたりと出るのは否定的な記事ばかりで、藤浪なら何を言っても書いてもいいような状況でした。しかし、僕が見る限り当時のOAK の投手陣は藤浪が足を引っ張っているという状況ではなく、むしろ皆が足を引っ張っている状況でしたし藤浪よりも高年俸を貰いながら藤浪よりもチームに貢献できていない選手が多々いました。海外のOAKファンからも辛口のコメントはそこまで見かけなかった印象です。OAK内部でも普段は辛口コメントの多いコッツェイ監督も肯定的な発言が目立ちました。とにかくゾーンに投げ込むようにというコメントが登板されるたびにされ、このようなOAKと藤浪の試行錯誤が現在の藤浪の好調に繋がったことは間違いないと思います。

今後への期待と思い

今後の藤浪ですが、現在の好調が続けばトレードされる可能性が高いと思います。1年契約ですし、チームの中継ぎも改善はできているためコンテンダーへの移籍が期待されます。不安点は疲労と故障です。そもそも先発でやってきた選手ですし、この出力を出し続けることで体に無理が祟らないかは心配です。
この記事を書こうと思ったきっかけとして、友人との会話で藤浪をいじる替え歌が上がったことがあります。オタクの僕は「制球は改善されてるんだけどな」と言いたいところでしたが、未だにそういう事で視聴者稼ぎをしている人がいるんだったと少し嫌な気持ちになりました。1スポーツのファンである以上選手について否定的なコメントが出るのは仕方ないですし、それ自体は悪いことだとは全く思いませんが、そういうネガティブな感情に漬け込んだビジネスや視聴者稼ぎは極力減って欲しいなと今回の件を通じて思いました。
そもそも藤浪は昨季こそ良かったものの、不本意なシーズンがここ最近は続いており本人が思い描いたようなMLB挑戦ではなかったはずです。アスレチックスのフロントも長年スモールマーケットの雄として善戦してきましたが、オーナーに苦しめられ、後数年後にはオークランドから移転を強いられるなど、ここ2年は大きな苦境に立たされいます。そんな両者の奇妙な足跡を笑うだけではなく、応援してくれる人が1人でも増えてくれると嬉しいです。

データは全てMLB savantから






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