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落語聞き覚えメモ『あとひき酒』(笑福亭松鶴)

昔からよぉ申します、「酒なくて 何の己が 桜かな」。これからお花見どきになりまして、お花見に行くのは、やはりお酒に限ります。桜の咲いたぁる木の下で、お互いに注しつ注されつ、よぉ咲きましたなぁ、満開でんなぁ、てなことを言いながら飲んでるさかい、お花見に行った感じがしますが、同じことで、花見に行って汁粉を吸うてたんでは、あんまり感心いたしません。そかと思うと、「泣くも酒 文字では済まぬ ときの挨拶」。おめでたいことがお酒でございます。三々九度の盃、こらお酒に限られてます。お酒飲まんご夫婦で三々九度のお汁粉てなあまり聞きません。やはりお酒やなかったら具合が悪い。そかと思いますと、大勢が初めの間は仲良ぉお酒を飲みまして、お酒が入りますと、どうしても気が荒ぉなります。仲のえぇ友達同士が飲んだ挙句で喧嘩をします。この喧嘩をきちんと収めるのんが、やはりお酒の力やそうで。

■まぁまぁ、まぁええわ、ちょっと待ちぃ!まぁええがな。何すんねんな?お互いに立ち上がって。待ちっちゅうねん。俺が中に入ってんねや、悪いようにはせぇへんわい。この世でできたことにこの世で収まらんことがあるかいな。俺に任しときって。そこへ座り、二人とも座り。ちょっと入るとこれやろ?酒ちゅうのは悪いやっちゃで。まぁええがな。お互いに飲んだうえでの間違いや。悪いようにはせぇへん。な?俺が中に入るねん。ちょぉどええわ。持ち合わした盃があんねん。仲直りの盃行こう。お前から先一つ飲み。飲んだか?飲んだらこっちに回したり。お前も飲んだか?ほんならこっち貸し。俺が飲んで...
 これでどんだけ揉めててもきちーんと収まるんです。お酒の力で。同じことでこれが汁粉ではこうはいきまへん。

■まぁまぁ、まぁええわ、ちょっと待ちぃ!まぁええがな。何すんねんな?お互いに立ち上がって。待ちっちゅうねん。俺が中に入ってんねや、悪いようにはせぇへんわい。この世でできたことにこの世で収まらんことがあるかいな。俺に任しときって。そこへ座り、二人とも座り。ちょっと汁粉食いすぎるとこれやろ?汁粉癖の悪いやっちゃで。まぁええがな。お互いに飲んだうえでの間違いや。悪いようにはせぇへん。な?俺が中に入るねん。ちょぉどええわ。餅が入った汁粉があんねん。仲直りの汁粉行こう。お前から先一餅食え。食ったか?食ったらこっちに回したり。お前小豆食べ。食べたか?ほんならこっち貸し。俺残った汁吸う...
 こら具合悪い。収まりかかっている喧嘩でもまた起こりますなぁ。そかと思いますと、ちょっとした腰掛の飲み屋さん、初めて会うた人が隣同士に座って、これがいつの間にやら、長年の知己のように仲良ぉ盃のやり取りをしてなはる。これもお酒の得ですな。よぉ見る風景で。
①お宅、まだ持ってきまへんか?
②へぇ、まだでんねん。
①さよか、うちもまだでんねん、へぇ。いや、他にもね、ぎょぉさん飲むとこおまんねんで?飲むとこはぎょぉさんおまんねんけど、ここの酒がええもんですさかいね。ここええ酒...おい、おやっさん、早よ持ってきてぇなぁ。いまぼやいてるとこやがな。待たされんのかなわんがな。なんでもかめへんねや。先に熱燗で持ってきてくれたらあとなんなと注文するがな。置いといて置いといて。ほんまに...待たされるのかなわんねや。
ちょっと、ちょっとおやっさん、燗がぬるいで?今度のやつもうちょっと熱ぅしといてや。ぬるいのんかなわん。(酒を飲む)あ、お宅まだ来まへんか?待ってる間どうです?お宅のん来るまでひとついきまひょか?
②ははっ、さよか、ほな、いただきまさ。その代わりうちのん来ましたらお返ししますさかい。
 これがきっかけになって、しまいには仲良ぉ盃のやりとりしたぁる。これがお酒やさかいよろしい。これが汁粉やったら具合が悪い。
①お宅、まだ持ってきまへんか?
②へぇ、まだでんねん。
①さよか、うちもまだでんねん、へぇ。いや、他にもね、ぎょぉさん汁粉屋おまんねんで?汁粉屋はぎょぉさんおまんねんけど、ここの汁粉屋の汁粉に入ったぁる餅が少し大きいもんですさかいに。おい、おばはん、早よ持ってきてぇなぁ。いまぼやいてるとこやがな。待たされんのかなわんがな。こっちもらうこっちもらう、よっしゃよっしゃ。わいらこんなん五、六杯いかな堪えへんねん。たのむであと、ちゃんとしといてや。ほんまに...待たされるのかなわんねや。(汁粉をすする、餅を端でつかんで食う)あ、あとどんどんしといてや。あ、お宅まだ持って来まへんか?待ってる間どうです?餅半分齧りましたけど、お宅のん来るまでひとついきまひょか?
②ははっ、さよか、ほな、それいただいて。また、うちのん来ましたら餅半分お返ししますさかい。
 返されへん。やはり汁粉では具合が悪い。そかと思いますと、大勢が車座になって宴会なんかの場所で、遠方の人に盃なんかを放ったりしてなはる。こらもう傍から見てますと、ごく和やかな風景ですが、やはりお酒のほうが具合がよさそうで。
③ああ、こら小林さんでっか、さきほどからそっちへご挨拶に行こう思っとりましたんや。ええ、間はね、普段ご近所にいながらつい忙しいもんですさかい滅多にお目にかかることおまへんねん。こんな折しかお会いすることおまへんねん。あのー、一つお盃いただきましょか。え?お盃おまへんか?さよか、ちょっと待っとくれやす。ほな、ちょっと失礼します。ほな、うちのん放りますさかい受けとくれやす。ごめんやっしゃ!
④へえおおきに、おおきに。
③いよっ、鮮やか。
④恐れ入ります、へえ、ほないただきます。こらご丁寧に、おおきに...ご返杯!
③重ねてどうです?
④いえ、もうあきまへんねん。
③アホらし、あんさんなかなかいける口やで。もひとつどうです?重ねて。
④はは、さよか。ほないただきますわ。
てなことをやっとりますが、これがあんころ餅ではこうはいきまへん。
③ああ、こら小林さんでっか、さきほどからそっちへご挨拶に行こう思っとりましたんや。ええ、間はね、普段ご近所にいながらつい忙しいもんですさかい滅多にお目にかかることおまへんねん。こんな折しかお会いすることおまへんねん。あのー、あんころ餅、ひとついただきまひょか。あ、おたく、もうおまへんか?みないきはった?さよか。ほな、失礼ですけど、うちのあんころ餅放りまっせ?ごめんやす、失礼!
④いや、放ったらいかん...
③鮮やか!
④何の鮮やかや?何の鮮やかなことがあるかいな!無茶したらいかん...おたく、こないしてあんころ餅放ったりして、顔にまともにピターッと。
③どうです?重ねて。
④いやいや、もう結構です。
③アホらし、かぶりつきがしっかりしてまっせ、重ねてごめん。
④放ったらあかん!
しまいにつかみ合いの喧嘩ができてしまいます。まぁいろいろとあるもんですが、お酒飲みも夜遅ぉに千度よそで飲んできて最後に入ってきた店、小さな腰掛の飲み屋さんで、飲み屋のおやっさん一人相手にして、グズグズグズグズ、いつまでも飲んどるやつがおるもんで。

(酔客、以下●)おい...おい...おい...おい...おやっさん、おやっさん、おやっさん、もう、もう、もう、もう、もう、もう一杯くれ、もう一杯。

(飲み屋の主人▲)お客さんよぉ~飲みはりまんなぁ。そうでんがな、さっきからもう一杯もう一杯って、かれこれ十五、六杯飲んだはりまっせ?おまけにその大きな湯呑でがぶがぶがぶがぶと...大丈夫でっか?

●だ、大丈夫や...大丈夫や!何...何抜かしとぉや。その大きな湯呑でがぶがぶがぶがぶと...おい、おやっさん。言うて悪いけどな、こんなもんで十杯や二十杯飲んだところで酔うかい、アホなこと抜かしおって...大丈夫大丈夫、大丈夫。注げ...注げ...おおきにおおきに、おやっさん、なかなか親切でんな、俺の身ぃ案じて言うてくれてんねんな、飲んでる本人が一番よぉわかってんねんな。大丈夫や!大丈夫やっちゅうたら大丈夫や。しかし...なんやなおやっさん、お前とこえぇ酒使ぅてんなぁ、いやいや、俺な、ここの店来んのん初めてや。ああ、いやぁ俺な、友達とちょっと二、三軒回ってんや。ところがあかんねん、他人と飲むさかいちっとも酔わへんねん、もぉ友達のこと気ぃばっかり使ぉて飲んでる酒いうのは美味いことなんともあらへん。第一酔わへんがな。ほで友達と別れてな、飲み直そう、どこぞ店開いてへんかなぁ思て。ここの表通りかかったら暖簾が吊ったあったさかいな、ほで覗いたらえぇ具合に空いたあったさかい入ってな、ほでこないして飲んでんねや。しかしなぁ、さっきから俺飲んで感心してんねん。おやっさんとこえぇ~酒使ぅてんなぁ。これだけのええ酒使ぅてる店、ここらぎょぉさん飲み屋あるけど他にないで。おやっさん相当飲むと見えるな。

▲いやぁお客さん、わたいは全然あきまへんねん。へぇ、お酒全然飲めまへんねや。いやいや、自分が飲めんのにこういう商売してまっしゃろ?そやさかい来てくれはったお客さんになるべくえぇお酒飲んでもらおう思て。酒屋に言うて、酒のほうは十分に吟味さしてまんねんけど、お客さんのお口に合いまっか?

●お口に合いまっか???んなこと言うたらバチ当たるで。これだけのえぇ酒を口に合わんとか何抜かしとぉや。そぉか。ほら何かおやっさん、自分が飲まんもんやさかい、来てくれはるお客さんにちょっとでもえぇ酒を飲んでもらおう思て酒屋に言うて「酒は十分に吟味させておます」てか?はっはっはっはっ....嬉しいなぁ!えぇ!今日びそんな商売人ないで!なぁ?客にちょっとでもええ酒を飲んでもらおうという気持ちが嬉しいなぁ!その心意気が気に入った!気に入ったら俺は毎晩でも来るさかいな。覚悟しといてや。なぁ~嬉しいこと聞いた。お客さんのことを思うて商売する店なんてもんはないもんや。うん。ええ酒でおますわ。(酒を飲む)ふ~....ほんまに、ええ酒や。そんでもって気に入ってんのがな、もひとつあんねん。

▲何がお気に召しました?

●何がお気に召しましたって、つき出し。つき出し。はっはっはっ....今日びな、これだけのつき出し出す店ないで?あ、おやっさん、つき出しちゅうたってわかれへんねやったら教えたるわ。東京で「おつまみ」ちゅうねん。つまみもん。こらさっきから食うてんねんけど、ええつき出しやな。ああ、感心してんねん。俺はあちこち飲みに行ってるけどな、これだけえぇつき出し出す店少のぅなったで。いやいや、昔はな、どこに行ってもお互いにその店がつき出しを競争してええのんを出したもんや。うん。ところが今どこへ飲みに行ってもつき出しちゅうたら決まったあるがな。まぁ旬々によったら出すもんは違うけど大抵は決まったある。せやけどな、おやっさんところのつき出しは河豚やろ?せやろ?河豚の皮のとこや。湯引き。またこのぽん酢が洒落たあんな。こんなもんぎょおさんぽん酢かけるもんやない、ちょっとかかたあったらええねや。ほでネギが細こぉに刻んだってな、量がぎょうさんあるわけやない、ちょっとだけしかあれへんけどな。酒飲みちゅうのはこういうもん好むねや。うん。おやっさんちゃんとわかったある酒飲みの気持ちがな。こういうつき出しを出す店は少ない。昔はどこでもつき出しはただやってんで?今日びはあほらしいなぁ、しょ~もないつき出し出して二百円とか三百円とか取りよる。あんなもん銭出す値打ちあらへん。なぁ?んなおやっさんとこみたいにこんだけえぇつき出し出して、なんぼ?八百円?はっはっはっ....いや、大丈夫、大丈夫。おやっさんとこのつき出し八百円やさかい高いてなこと言わへんで。値打ちがある。こういうもん出したら、たとえこれ八百円やのぉてもかめへんが。千円取ろうが二千円取ろうが俺は黙って金払うで?こんなもん揉めやがったら一銭も払わへんで?何抜かしとぉや。八百円パーや...ちょっとええもん出しよる...おやっさん?なんぞ用事か?

▲お客さん、なんぞお料理しまひょか?

●お料理?いまつき出しのこと褒めてんねや。誰がお料理してくれ言うた?お前とこ押し売りすんのか?何抜かしとぉや。あんな、よぉ「新しい鯛が入りましたさかい、造りにしまひょか?」とか、な?「えぇ海老がおますさかい、天ぷら揚げまひょか?」とか言うやろ?俺はそういう店は行かんねん。さっきから言うとんや。酒飲みが料理好むっちゅうけど、いま言うとるやろ?こういったおつまみがあったら結構飲めんねや。ちゃうか?んな造りやら天ぷらで飲まなんだら飲めんてなやつは飲まなんだらええねや。何抜かしとぉや。せやないかい、だいいち造り食うて天ぷら食うたら腹なんぼやろと心配して飲んでられへん。せやろ?酒飲むからにはな、安心してゆっくり飲まな....おい、おい、おい....おやっさん、もいっぱいおくれ。

▲(溜息)お客さん、なんぼ飲みはってもよろしいけど、あんまり飲みはったらお体に毒でっせ?

●そうすると、何か?おやっさん、お前とこの酒、飲んだら毒になるのんか?お前とこの酒、飲んだら毒になるような酒売ってるんちゃうやろ?何抜かしとぉや。さっき言うたやないかい!お客さんのお口に合うように酒は十分吟味してますって...何抜かしとぉや。わかっとんのか。「あんまり飲みはったら毒だっせ」?そういうこと言いなっちゅうねん。そんなこと絶えず聞き飽いてんねん。うちの嫁はんと同じこと抜かす。もぉええもぉええ、もぉいっぱいぐらい。酒飲みってのはな、飲むときには気分よぉ飲んで気分よぉ酔いたいさかい飲んでんねや。ちゃうか?それ飲んでる最中に「あんまり飲みはったらお体に毒でっせ?」そういう医者の回し者みたいなこと言うな。どないなっとんや。よぉ言うやろ。何を食べんと飲んでばっかしやったらお体に毒だっせ....どんどんお料理食べるほうがよろしいで、そない思てんねやろ?何抜かしとぉや。誰が料理食うかぇ。まだおつまみがたくさんあるわ、これ明日の分もあるわ...。はっはっはっ....嘘や!嘘や!何言うてんや、そんなこと気にせんでええんや、何抜かしとぉや。それはそうと、おやっさんの店暇やなおい。一人も客入って来ぇへんやん。なんでや!

▲もう時間が遅ぉおまんねん。へぇ、あぁ~もうこの時間にはお客さん滅多に入って来はらしまへんねん。

●はぁ、時間が遅い?あぁそぉか。あんまり客が入って来ぇへんさかい心配してんねや。せやけどな、俺はどっちかというたらな、誰も居んほうが飲みよいねん。傍に人がいたら飲んだ気がせんねん。そんならお前とこ、この時間に来たらいつも空いたぁんねんな。明日から毎晩来るわ....。おい!おいっ!こらっ!人が飲んでんのに店しまうなあほんだら。そこら片づけなちゅうねん。まだ飲んでんねや客があんねやな店片付けかけるやつがあるかぇ。もういっぱいくれ!店しまいかけなちゅうねん。お客さん気ぃ悪いしはるわ。じゃかしぃわ。へっへっへっ....わかってるわわかってるわ!何も俺おやっさんとこ泊まる言うてんねやない、帰るわいな。心配せんでええがな。(酒を飲む)ふぅ~....時間が遅ぉおますさかいお客さんが来はらしまへんって、時間いま何時や?えぇ!?何時や!二時?早い!まだ。昔やったら宵の口やないかい。何抜かしとぉや。いつも?何?一時ぐらいにしまう?まぁええがな。何抜かしとぉや。せわしのぉて飲んでる気せぇへん。うぇっへっへっはっはっはっ、おやっさん、おやっさん、頼むさかいもういっぱいおくれ。

▲お客さん、堪忍しとくはなれ。さっきから言うてまっしゃろ?へぇ、もう店しまいまんねん。すんまへん、もしも飲み足らんようやったら、また明日の晩来直しておくれやす。明日の晩ゆっくり飲み直しておくれやす。今晩はそれで堪忍しとくなはれ。へぇ、今晩はもうそれで帰っとくなはれ。

●(沈黙)おい...おい...おい....こら.....こら、客に帰ってくれってなんちゅう言い方や。飲み足らなんだら明日来て飲み直してくれ?あほ抜かせ!ほな今晩飲み足らんさかいってこのまま今の酔いが明日の晩まで保つと思てんのか?何抜かしとぉや。飲むからにはとことん酔わな、得心するまで酔わなんだら酔ぉた気がせんねさかい帰っとくなはれてな言い方すな、もういっぱいくれ馬鹿!何抜かしとぉや。人が大人しぃしてたらなんちゅうことすんねや。客に対して帰ってくれてなそういう物の言い方したらあかんぞ....あかんぞ!客に対して言うべき言葉か!あんな、お前も見たら俺より年上や、なぁおやっさんええ歳してんねやで?おまけにこの商売何年やってるかしらんけど、お前酒飲み相手に商売してんねや。ちゃうか?酒飲みの気持ちっちゅうのは飲みあいしとったら己が飲まなんでもわかりそうなもんや。ちゃうんかい。別にな、こんな大きい声出しとぉないけど、おやっさんの言い方が悪いねんで?帰っとくなはれってなそういう言い方すな。あんな、同じこと言いようひとつでな、「帰っとくなはれ」言わんでもちゃんと帰ってもらえるようになんねん。お前ら物の言いようが下手や。せやろ?たとえばや、俺が飲むたんびに「おやっさんもういっぱいくれ、頼むさかいもういっぱい注いで」と言う前にお前のほうから「あ、もう飲みはったな」と思たら、「もう時間も遅いし、もう店しまいたいな」と思たら、俺が言う前に「お客さん、もう一杯行きまひょか?」と、ちょっと笑みを浮かべて言え。にこっと笑ろて愛想笑いのひとつでもして「もう一杯どうです?」とこない言うてみ?こっちゃまだ飲みたかっても「いや!もぉええ、おやっさん気ぃ遣わんで、もうこっちゃえぇ具合に酔うてんで帰るさかい勘定してんか」ちゅうて機嫌よぉ勘定払ろて大人しゅうしゅっと往ぬねや。ちゃうか?それをお前みたいに「帰っとくなはれ」とか「店しまう」てなこと言うたら、意地からでも朝まで飲むぞ?人間てなもんはな、物の言いようひとつ...物の言い回しで相手気ぃよぉさせ....ほんま....あかんでお前!わかった!わかった!年下の俺がこんなこと言うて悪いねんけど、それぐらいのことを心得とけよ。ほんまに。

▲お客さん、もういっぱい行きまひょか?

●はぁそうか、ほんならもらうわ。


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