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留学記③

ブライトンからロンドンに引っ越してもイギリス生活は順風満帆でした。ロンドンの語学学校で出会った日本人はワーキングホリデーで来ている子が多く、最初の1−2ヶ月で語学学校に通いながら生活基盤を整え、仕事も探す、というようなことをしていて、家探しや仕事探しの苦労を見ていると、同情する気持ちを抱く隙などないほど、ただただ感心するのみでした。私がワーホリの資格を有していた年齢の頃、海外で暮らしたり働いたりすることなどまったく考えたこともなかったけれど、彼らは「ずっと憧れて」あるいは「とりあえず応募したら当選して」ロンドンにやってきたのです。計画することが苦手な私からすると、ライフプランを立てて、何かに憧れを持ってチャレンジする自分よりずっと若い人たちは、尊敬以外のなにものでもありませんでした。イギリスで素敵な日本人に出会ったことも、イギリスに行ってよかったなと思うことのひとつです。今でも時折みんなのSNSにあがるイギリスの何気ない風景を見ると、「帰りたい」という気持ちになります。そして、ああ私には「帰りたい」と思う場所が増えたのだなと、しみじみ思います。あんなに曇りがちで雨ばかりで寒かったロンドンも、今年の猛暑の東京からは、ただただ羨ましく恋しい場所でしかありませんでした。

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