読むべき作品を選ぶ――作品リスト、作品分析

1.作品リスト

史上最高の小説ベスト100(The 100 Most Meaningful Books of All Time)
・2002年に世界中の作家54人の投票によって選ばれた100冊
利点:作品の選定に信頼が置ける。古代から現代までの世界中の作品が記されている。小説に限らない。
欠点:邦訳は自分で決めなければならない。日本文学が少ない。

文学を読み解くマップ
・上記のリストから、古典を減らして日本文学を増やし、おすすめの邦訳を示したもの。
利点:邦訳の選定に困らない。作品によっては解説動画がある。
欠点:邦訳の選定をどこまで信用していいかわからない。

西洋文学この百冊
・京都大学文学部西洋文化学系が作った西洋文学リスト。
利点:教授が邦訳を指定しており、信頼して読み進められる。小説に限らない。「さらに読み進めたい人のために」に各国文学の案内書を示してある。
欠点:リストの性格であり欠点ではないが、西洋文学に限られている。

東京外国語大学日本課程 推薦図書リスト
・当大学の図書リスト編集委員会が選定したリスト。メインは言語学・日本語学などのブックガイドであるが、「日本文学」の末尾に文学作品が80点ほど紹介されている。
利点:1・2年生の学部生を想定し、短編・中編の読みやすい作品を選んでいる。現代に主眼が置かれており、作品は小説に限らない。
欠点:リストの性格上、近現代の日本文学のみである

必読書150
・人文社会科学/海外文学/日本文学をそれぞれ50冊ずつまとめた本(未読)
利点:海外文学と日本文学の冊数が50冊ずつと、非常にバランスが良い。訳書も指定されている。小説に限らない。
欠点:日本文学の古典が記載されていない。

日本文学名作事典
・『古事記』から『死霊』まで187作品を収録。ページ上部に本文を抜粋し、下部で解説を行う。
利点:古典が少なからずまとめられており、現代語訳も記されている。
欠点:古典を除けば詩集がない。やや冊数が多い(事典だからだけど……)

2.作品分析の本から読む

・小説は、わかってくればおもしろい:文学研究の基本15講
志賀直哉『小僧の神様』
夢野久作『瓶詰地獄』
太宰治『葉桜と魔笛』
中島敦『文学禍』
川端康成『水月』
有吉佐和子『亀遊の死』

・小説的思考のススメ
太宰治『斜陽』
夏目漱石『明暗』
辻原登「家族写真」
よしもとばなな「キッチン」
絲山秋子「袋小路の男」
吉田修一『悪人』
志賀直哉「流行感冒」
佐伯一麦「行人塚」
大江健三郎『美しいアナベル・リイ』
古井由吉「妻隠」
小島信夫『抱擁家族』

・名作をいじる
夏目漱石『三四郎』
夏目漱石『明暗』
志賀直哉「城の崎にて」
志賀直哉「小僧の神様」
太宰治『人間失格』
太宰治『斜陽』
谷崎潤一郎『細雪』
川端康成『雪国』
梶井基次郎「檸檬」
江戸川乱歩『怪人二十面相』
森鴎外「雁」
芥川龍之介「羅生門」
葛西善蔵「蠢く者」
堀辰雄「風立ちぬ」
林芙美子『放浪記』

・世界文学を読みほどく
スタンダール『パルムの僧院』
トルストイ『アンナ・カレーニナ』
ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』
メルヴィル『白鯨』
ジョイス『ユリシーズ』
マン『魔の山』
フォークナー『アブサロム・アブサロム!』
トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒険』
ガルシア・マルケス『百年の孤独』
池澤夏樹『静かな大地』
ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』

補記
・邦訳の選定…ひよこのるるの自由研究
・その他…世界の10大小説
・その他(本)…日本文学の古典50選/日本古典のすすめ/短編小説を読もう/短編小説礼讃/未成年と12の短篇など。ここに挙げたのは大体新書で、他にもたくさんある。

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