工場腸切先

ブックカバーが愛情だけで出来て
いるとしたら、人の死んだ街を歩
くのは君だろうね。観測者を失っ
た星は転がってレジの引き出しに
入る。下水には砂糖が満ちていて
、でも誰も寄りつかないから、時
折クジラのように波打っている。

私を後ろから抱きしめ
るものがいたら、まず
は両手を左右に開いて
、菜の花畑のふりをし
てください。そうした
ら私は銃を下ろして君
と同じ色の服を着ます。

本は二百年前
に滅びました
。あれから言
葉は全て声に
なりました。

硝子の
罅の鼠
の産毛

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?