着手の手記
盤面でまだ「COOL BEATUTY」も出ていない。例のウイルスのせいだ。
ただそれを逆手に取る以外ないので、今はこっそり楽曲を書いている。
ひとりでアコースティックギター片手に書いた鼻歌程度の曲が2曲。
いつ明るみに出るのかも分からない、新しいPortoneonの一部が産声をあげた。
先日まで全曲解説していた最新作「COOL BEAUTY」は、はっきり言って名盤。
せめて産みの親くらいこう言わないと。
でも本当に名盤。
全曲リード曲と言っても過言ではないくらい自信がある。
曲を書く時、意識するのが世界観。
小さな頃戦隊モノのヒーローを観た後、妙にごっこ遊びがしたくなるのと同じように、聴いてくれた人が影響されてしまうのが目標である。
Portoneonも皆、大人になった。
ポップス思考がより高まったのは、バンドがフィットできる姿勢を見つけたから。
というか僕自身の音楽の好きが少しずつ変わってきた。
頂点EXTREMEに始まり、MR.BIGやWhitesnake、VAN HALENにTOTO。かなりの数を聴いた。
ハードロックで育った僕はレスポールで図太い音を出すのが好みだった。
うちでいう「Spot Light」とかはこの辺にあたる。
そこからブルースや洋楽ポップス音楽へ没頭していった。
Gary Moore, Joe Bonamassa。Sara BareillesにBen Rectorも最近たまらない。
チャーチ音楽なんていれだしたらDr.友さんに勧めてもらったIsrael & New Breedも鳥肌が何回聴いても止まらない。
ああ、、書ききれない。
そして最近の別格はJohn Mayer。
今使っているストラトは彼のモデルだ。
音響チームがうちにつくようになって、メインPAの堀さんが色々とPortoneonに合うギターサウンドを打診してくれた。
うちの相方さんに合うギターを探るとJohn MayerのPRS Silver Skyがドンピシャだった。
ポップブルースライクなギターが好きなので、このモデルに決めた。なにもJohn Mayerラバーだからこの機種にしたわけではない。
このギターは、現代ポップス音楽に馴染みやすい特性を持つ。
浮き出て来すぎず、引っ込みすぎずの優等生。
授業で突然当てられても、なんだかんだ正解を答えられるクラスメイト的な。
ギターの詳しい話なんてこんなところでしたらキリがないのであれなんだが、ここはかなり重要な点。
そもそもこのコラム自体が「よりPortoneonをマニアックに」を目標としているのでまあいいか。
ギターにも運動がものすごく出来る奴。
勉強が得意な奴。どっちも5段階中で3を平均で取れる奴。とりあえず休み時間面白いからクラスの人気者の奴。
いろんな種類があるわけである。
僕が主に使うレスポールは運動がかなり出来る。ただし勉強はまるでダメ。宿題もしない。
そのかわり運動神経で言えば、推薦で進学できるくらい特化している。
体育の授業なんて学年でもダントツで1位。
下手したら1年生からレギュラーを取ってしまうくらい。
そして新入りの白いギター。
突然クラスにやって来た成績優秀、運動神経もいい在校生男子諸君にとっては恐ろしい存在だ。
おまけに顔も整っている。あと結構優しい。
親もなんだか社長さんだのなんだの。
金にも困っていないようなサラブレッド。
かなり誰でもわかってもらえるように分かりやすく書いたけれど、本当にこんな感じ。
だからレスポールは本当にうちのPA堀さんも驚かせた。「GIRLS' TALK」や「ランウェイ」みたいなアップテンポでギターが前に出る曲を弾かせると、鳴りが良すぎて開いた口がふさがらないほどの重厚感。
一方新入りのストラトは「スーパーヒーローになった暁には」や「クールビューティー」みたいな、引くところは引かないといけない楽曲では空気を読めるナイスガイ。
作りが繊細だから、手元のボリュームとかを演奏中いじってやればちゃんと「あ、なるほどですね。」と言って瞬時に反応する。
両極端な2本を迎えて、今この自粛中もおかげさまでとてもじゃないが暇はない。
濃厚接触喜んでどうぞ。と言わんばかりの風体である。
ものすごい方向に話が行った気がするが、次の作品はこういった特性の調和も織り交ぜながら作っていこうと思っている。
繊細も大胆も、そして物語も詰め込んだ楽曲たちが早くもどんどん形になって来ている。
どうかそれまで擦り切れるくらいまずは「COOL BEAUTY」を聴き込んでもらえますように。
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