見出し画像

JNO2024ジャパンツアー 反田恭平指揮ジャパン・ナショナル・オーケストラ

JNO 反田恭平率いるオーケストラを聴きに、9/10初台オペラシティへ。わたしにとっては初JNO、興味津々で参りました。


オールベートーヴェンプログラム

ベートーヴェン:序曲「コリオラン」作品62 1807年
ベートーヴェン:交響曲第2番 ニ長調 作品36 1803年
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73「皇帝」 1809年
指揮/ピアノ:反田恭平
管弦楽:Japan National Orchestra

響きの良さ、お互いの響きを大切にしている感じが印象的。ひとつひとつの楽器がきちんと主張する、密度の高い演奏。退屈しがちな交響曲第2番も間延びしない。皇帝で反田さんがピアノを弾くと、やはり締まるというか華やかというか、ああ、これが聴きたいよね、と思った瞬間。熱烈な拍手、ブラボー多数。

パンフレットは写真のように、広告なし、三つ折り1枚+チラシ数枚。これは既存コンサートとの大きな違い。

三つ折り、表紙の裏にプログラム
開くと内側に①曲解説、②反田さんプロフィール、③団員リスト 
外側は④表紙 ⑤プログラム 🄬反田+JNOによる音楽サロンの入会案内・ツアースケジュール

全体を通じて、コンマスや各奏者が生き生きしてた。これは反田さんを中心の曲作りにプラスして、おそらく奏者のアイディアを盛り込みながらひとつの曲を作っているからなのかな。これからJNOこその響きが育っていくだろうか? コンサートがあるときだけ集まるスタイル。各々が別なフィールドで得たもの、コンクール入賞して得る機会、それらが合わさって今後どうなっていくのか楽しみ。

おぼえがき(個人のつたない視点に偏ったレポートです)

・45人弱の20代、30代の演奏者たち。男女比は3:2くらい? 

・大きなオケに入って先輩方のなかで認められていく過程を経るのではなく、彼らがすぐ音楽性や技を発揮しようというフレッシュなオケ。

・高い技術による響き重視の演奏が、天然木のタケミツメモリアルホールとマッチしている。

・交響曲第2番など、大編成できくと退屈に重く感じるけれど、このくらいの人数で、響きを楽しめるくらいの軽さが丁度折り合うのかもしれない。

・交響曲第2番1楽章でコンマスの弦が切れて、最後部の人が弦を取り換えて2楽章冒頭から戻ってきた。ベルリンフィル以来、直に見たのは初めてかもしれない。

・ピアノ協奏曲『皇帝』では、ピアノを真ん中に置いて、反田さんがお客さんに背中を向けて指揮ぶり。

・ピアノの天板を外し、全開放なので響きがいい。それがp、mfくらいまでは美しいけれど、大きくなるにつれて打鍵の機械的な音が入り、fやffは音が全方位に響きすぎて焦点がない感じ。オケとのバランスで、ピアノが大きすぎると感じた。

・終演後の拍手で、最初からオケ団員が拍手するのはどうなのか? 同じ曲でのツアー最後、千秋楽だからこその盛り上がりなのかもしれないけれど、ちょっとおかしい。

・指揮者挨拶の多くは、指揮台の手前下手脇、または台上真ん中でお辞儀をすることが多い。反田さんは指揮台の下はいつも台の真ん中まで行って、オケの中心でお辞儀していた。絵的に反田中心という印象が際立つ(ように捉えるのは私だけかもしれない)。

・聴衆は一般的なクラシックコンサート同様に年齢幅広いが、明らかに若い層が多かった。

・プログラム終了後にマイクを持ってトーク。こういうのが配信時代のコンサートだなぁ。

・アンコールは2曲。まず弦楽のみでベートーベン最後の作品、Op.135 弦楽四重奏曲第16番 1826年 オールベートーベンに相応しい最後。ちなみに、毎回アンコール曲を変えるというコンマスの考えで10回違う曲を演奏するというチャレンジをしたそうだ。ピアノはシューマン:トロイメライ。たぶん反田さんがその場でチョイスしている。この後、愛娘と小林愛実さんに会うのかな。愛娘は最高の子守歌を聴いて育っているのよね、元気に大きくなってね。

・プログラムをオールベートーベンとするのは、オケの基礎作りだから?

・JNO Japan National Orchestra 何となく日本株式会社っぽい名称。海外で覚えられやすいという意図の命名? 今後の可能性を秘めて無機質にしたのかな? ちなみにオケは株式会社化していて、ジャパン・ナショナル・オーケストラ株式会社という名称。

・もちろんCDや書籍販売があり、終演後サインの長い列。

・ツアーで8カ所(トークでは10カ所と言っていた)同じ曲を演奏し、今回が千秋楽。メンバーにとって温泉や食事を共にする体験で結束が培われたようす。数日前にサントリーホールで行っている。そのときの響き、サイズ感はどうだったのか、演奏を変えていたのか今思えば聴き比べてみたかったな。


読んでくださりありがとうございます。
反田ファン、JNO奏者の関係者の方、勝手な感想で恐縮です。
これからの活動を楽しみにできるなんて、同じ時代に生きることができて幸せです♪

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?