名古屋港水族館太郎
「みなさま、ようこそ当水族館へ」
『おお、さすがに広いなあ』
「はい、こちらなんと市内一番の広さとなっております」
『・・・市内に他に水族館ってあったか?』
「こちらでは大きな大きなシャチが見られます」
『おお!それは見たいなあ』
「・・・が、去年残念ながら他界しております」
『なんでいま紹介したんだよ』
「当館では、イルカショーも見どころの一つです!」
『あ!それ楽しみだった!』
「ですが・・・公演時間がすでに過ぎておりますので、今日は見られません」
『終わったのかよ!見られる時間案内しろよ!』
「また、貴重な亀の産卵シーンも見ることが出来ます」
『・・・いま、か?』
「産卵時期においでになれば、見られます」
『いまだよ!いま見られるやつ教えろよ!』
「いまですと・・・世界最大の鯨が・・・」
『え?なんだよ、それすごいじゃん』
「入口に、骨格の模型が展示されております」
『骨格!しかも模型!?生きてるやつお願いします!!』
「では・・・ペンギンなどいかがでしょう」
『おう、ペンギンいいねえ。可愛いじゃあないか』
「あと・・・お魚」
『いや、ここ水族館だからね?魚はいて当たり前だから』
「え・・・平べったい魚」
『マンタだね?名前あるからね、あれも!』
「ふくれる・・・やつ」
『フグだよね?ね、ちゃんと名前言おうね?』
「すごいカラフルな・・・やつら」
『やつらって言うなよ!魚たち!名前もあるから!』
「美しいクラゲ」
『クラゲは好きなのね?それしか伝わらない!!』
「はい、続きましては当館最大の目玉でございます」
『お、テンションが戻った。なになに?』
「旧世代に実際に使われていました、潜水服でございます」
『魚じゃない!!』
「見てください、この不気味なフォルム」
『不気味って言っちゃったし!やめろよ、トラウマになるよ!』
「ここで5分ほど潜水服と見つめ合ってから、先へ進みます」
『なんでだよ!ここしか記憶に残らなくなるだろう!』
「それ以外は・・・まあ、魚介類がたくさんいますね」
『魚介類!!バーベキュー店か、ここは!!』
「ちなみに、その外の海は濁って魚が浮いております」
『やめろよ!地元の悪情報を流すな!!』
「ある意味、お外も水族館・・・」
『まったくプラスに聞こえないよ!!』
「みなさま、ぜひまた当館にご来館ください」
『どうやったらもう一回来ると思うんだよ・・・』
「大丈夫、夏になったら花火大会もありますから」
『もう水族館関係ないだろ!!』
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