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ネット将棋大会の難しさ

一番大事なことを書き忘れていた。ソフト指し対策である。

丁度、最近某大会で主催者が処分を下したことがあった。(この記事はその時に書いたのだけど、流行りの出来ごとにのっかるのがあまり好きではないので、落ち着くまで寝かしていた)。その人は私も良く知っていて、多分30~40局くらいは指したと思う。だから、もうただただむなしい。主催側の発表を見れば、今回下した裁定はやむを得ないことが分かるし、私が同じ立場でもそうすると思う。ただ、実際に棋譜を調べてみて、私の感覚では発表と異なる部分も多く、結局「とても怪しい」以上にならないのが将棋における不正問題の難しさだろう。


いつからかよく覚えていないが、運営やサイト側から認定されても、認めさえしなければ大丈夫という風潮が出来てきた。主催もサイトも絶対の証明は不可能だからだ。だからこそ本当に血の滲むような労力をかけ、大会運営を成立させるために処分を下すわけだが、当の本人には実質的に特にダメージはない。何も言わず、ただ黙っていればそのうち風化もしてしまう。ひどい場合は、大暴れすることもある。そうして、何食わぬ顔で活動している人が、知っているだけでも何人もいる。氷山の一角で、バレていないだけの人はもっともっと大量にいるだろう。ただ、100%の確証がない以上、本当にどっちが正しいのかなんてのも、悲しいことに分からない。個人的には「使用するサイトでBANされたら退場」くらいの規定が、表で一致率がどうの、プロの先生がどうのいうよりも丸い感じがする。結局、どれだけ頑張っても冤罪事件の焼き直しのような構図にしかならないし、裏でサイトに報告を丁寧に行うことで適切な処分が下される可能性が上がるからだ。BANされなきゃいいのかよみたいな、随分乱暴な方法だが、かける労力と公平性のバランスはとれているように思える。


もうどうしようもないのだ。行き詰っている。普通に頭を使って考えれば「ネット将棋大会を開くのは無理」という結論に行き着いてしまう。実際、そういう判断を下している配信者の方も何人か知っている。


これをVtuberの大会にスライドして考えてみても全く同じで、やるやつは絶対にでてくる。特に今回ソフト指しが発生してしまった大会はかなり厳しい事前対策をしており、Vtuber大会でこれ以上締め付けを厳しくすることは不可能である(生身のネット将棋大会ならもう少しやりようはあるかもしれないが)。


正直、ネット将棋大会という文化が、終わりはしないだろうが、一区切りついてしまった感じがして非常に悲しい。

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