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Jazmine

『女装お嬢様への異常な愛情』より 作曲:madetake
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※試聴版。オリジナル版(02:52)は購入後に視聴可能。

「主義として許せない」

 このセリフは好きだが、チンピラの言葉でもあると思う。いわゆる「仕事の流儀」みたいなものと一緒だ。
 そんなものは人それぞれなので、自分に課しているうちはいいが他人に課せば軋轢を生んで歪む。

 先のセリフは『パルプ・フィクション』の終盤のシーンのセリフだ。
 思いつきでファミレスを強盗してみた若者に、筋金入りのチンピラが銃を向けて言う。

「主義として許せない」

 気持ちはわかる。
 でもやっぱりこのセリフはあまり良くない。格好いいけれど、主義として許せないということにしてしまえば世の中の大抵のことは許せなくなる気がする。

 ちなみにこのセリフを言ったチンピラは劇中で死ぬ。だから余計に許さないことは良くないことだと教訓的に受け止めてしまうのかもしれない。

 さて、ここで一度冷静になって、物事を整理しながらややこしくつなげてみよう。

 主義として許せないと他人に対して思うのは良くない。
 ここまではいい?

 では、誰かが主義として許せないと他人に対して思うことを、きみが主義として許せない場合はどうだろうか?

 当然良くない。きみは許さなければいけない。許さない相手を、許さなければいけない。本当にそれでいいのか?
 いずれ許す自分が許せなくなってくるかもしれないし、それでもやっぱり許すべきで、どこかで許せないと思う自分がやっぱり許せないかもしれない。

 ああすまない、その袋小路から自分で抜け出すことはできない。ただ抜け出せないその苦しみは徳であるし善であるし祈りであると思う。
 よく苦しんでる?

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続けられるかわかりませんが過去作の曲の単品販売に使おうかなと思ってます